ソフトバンクの『TOEIC900点で100万円』を考える

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日の記事の通り、ソフトバンクが 「TOEIC 900点取得で、100万円の奨励金」という制度を打ち出しました。このニュースは英語学習界にとっては、大きな衝撃となり、ブログ・ツイッター上では多くの人が議論を重ねています。で、私も改めてこの斬新な制度に関して考えてみようかなと。

別に批判する訳でもありませんし、是非を結論づけたい訳でもありませんので、まぁ、とある外資系営業マンの戯言くらいに聞いて下さい。




まず、「TOEIC 900点で100万円」の本質を細分化すると、
何故 ソフトバンク社がこれを打ち出したかを把握する必要があります。




同社のHPには、

「ソフトバンクは海外で活躍する人材を育てるため・・・」

とあります。



つまり、同社の事業を海外展開するに当たり、
社員に英語を身に付けて貰うということが目的ととれます。



ここで言う「英語」を細分化すると、
スピーキング・ライティング・リスニング・リーディング
これらに分類できるでしょう。

「海外で活躍する人材作り」は、これらを身に付けることで
取り敢えずは達成できると思います。
ですので、ここまでは非常に理にかなっているかと。





ここで、2つの疑問が。


① TOEICを勉強することで上述4点のスキルを身に付けることが可能か?

② 仮に可能とした場合、900点がその判断基準となり得るか?



TOEICは言わずもがな、リスニングとリーディングにて構成されています。
ですので、スピーキングとライティングを測る要素はゼロと言っていいでしょう。


となりますと、ソフトバンクが考える「海外で活躍する人材」は、
この時点でリーディングとリスニングを身に付けた人材まで限定されてしまう。



メールと電話だけで全てのやりとりをする覚悟であれば、OKかもしれません。
が、メールを書くにしてもライティングスキルは絶対に必要ですし、
外国人と面談する際には当然英語で話さなくてはいけません。


同社が、「英語を聴き取れて、英文を読むことが出来る人材」を、
「海外で活躍する人材」と称するならば 何も問題ありませんが、
それだけでは海外で活躍出来ません。




これを承知の上で「TOEIC」を活用するのであれば、
TOEIC SW は自ずと必要不可欠になる気がして仕方がありません。



一方で、900点を目安としたその根拠も不明です。



択一試験であるTOEICでは、少なからず「偶発的な正解」が付き物です。
「勘で正答を導き出すのも実力」という議論はありますが、
ビジネスは勘や当てずっぽで進めてはいけない筈。


事業を展開するに当たっての方針・理由・根拠・材料があってこそです。

にも関わらず、900点を超えると「海外で活躍する人材」となってしまう、
その安直さがどうも腑に落ちないんです。




話が逸れてしまいますが、100万円を掲げてしまうと、
仕事そっちのけで、TOEIC学習ばかりしてしまう社員が増えるんじゃないですかね?


ここで注目すべきは、「英語学習」ではなく、「TOEIC学習」である点。
総合的な英語力ではなく、あくまでも「TOEIC力」
「TOEIC スコアアップの為の裏ワザ」とかが流行るのが目に浮かびます。
「正答に迷ったら (C)を選んだほうがいい」とかですね。




但し、こういった報酬やスコアを打ち出すことで、
英語学習を奨励すること自体は素晴らしいことだと思っています。


入口は良いんですが、結果として「海外で活躍する人材」が育つか否か。


中途半端な英語しか使えないが、取り敢えずTOEIC900点をもっていて、
海外で全然活躍出来ない同社の社員が増えないことを祈るばかりです。
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