
TEAP、もしくはTEAP (CBT)をご存知でしょうか?
「TOEIC L&R, S&Wは知っているけども、TEAP, TEAP (CBT)は聞いたことがない」という人向けに簡単に分かりやすく紹介したいと思います (情報は2018年1月現在)。
2020年より導入される大学入試用英語テストに採用される、注目の英語テストです。
TEAP, TEAP (CBT)の概要
TEAPとは、Test of English for Academic Purposesの略で、日本語で「ティープ」と読みます。
イメージとしては、TOEIC L&RとTOEIC S&Wを合わせたような形でListening, Reading, Speaking, Writingからなる英語の四技能で構成されてます。
では、TEAP (CBT)とは何かというと、TOEFLなど受験した経験がある人にはわかるとおもいますが、その名の通り TEAPのCBT版を指します。
(CBT = Computer Based Testing, 問題用紙やマークシートなどの紙を使わず、コンピューターで受験する方式のテスト。指定のテストセンターに行く必要あり)
CBTの場合は、試験会場でPCの前に座りヘッドセットを装着して画面の指示に従いながらTEAPを受けます。
ListeningとReadingはクリックしながら解答し、Writingはキーボード入力による解答、そしてSpeakingはマイクに吹き込む形で解答の音声を録音します。
TOEIC S&Wを受験したことがある人にとっては馴染みがあるでしょう。
テストの主な対象は社会人ではなく、高校3年生です。
理由はTEAP, TEAP (CBT)の目的が「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るためだからです。
最初にご紹介しましたが、TEAPは, Test of English for Academic Purposesの略ですので (社会人でも大学に通う人はいますが)。
但し、受験可能なのは高校2年生以上、または高校卒業後大学進学を目指している人も問題ないそうです。
なお、対象が高校生という点から、TEAPの出題分野は、いわゆる大学生活で遭遇するような場面 (英語で講義を受ける、英語の文献を読み解く、英語で発表を行うなど)となります。
TEAP, TEAP (CBT)の歴史
TEAP, TEAP (CBT)は、日本英語検定協会 (= 英検)と上智大学が2014年に共同開発しました。
比較的新しい英語試験ですが、英検協会が携わっていますので今後の普及スピードも速そうです。
当然、開発者である上智大学ではTEAPとTEAP (CBT)を既に入試に採用しています。
加えて、以下に記載のある大学も積極的にTEAPを活用しているようです。

「旺文社 TEAP スコア一覧」からの引用 <http://eic.obunsha.co.jp/pdf/exam_info/2017/0306_1.pdf>
外国語教育・研究の雄である上智大学、そしてブランド力・実績では文句のない英検による開発であることから、瞬く間に採用されている模様です。
英検協会を管轄している文部科学省から直々の通達やpoliticalな臭いもしないでもないですが。
TEAP, TEAP (CBT)の構成
では、TEAPの構成はどうなっているのでしょうか?
要点をまとめると以下のようになりそうです。
Reading(100点満点)
試験時間 : 70分、問題数 : 60問、解答方式 : マークシートによる択一選択方式
Listening(100点満点)
試験時間 : 約50分、問題数 :50問、解答方式 : マークシートによる択一選択方式
Writing(100点満点)
試験時間 : 70分、問題数 : 2問、解答方式 : 解答用紙への記入
Speaking(100点満点)
試験時間 : 約10分、問題数 : 4問、解答方式 : Examinerとの1対1の面接方式
合計 200分の英語試験となります。
TOEIC L&Rの試験時間(120分)に慣れている人にとってはキツイように見えます。
しかし、英語の四技能を測るためには これくらいの時間はどうしても必要になるので致し方ありません。
なお、TEAPは、各セクション100点満点、合計400点満点のテストですが、TEAP CBTになりますと、各セクション200点満点、合計800点満点となります。
そしてTEAP, TEAP (CBT)で取得したスコアは以下のように読み替えることができます。
日本では英検協会がIELTSを運営していることから、IELTSについては読み替え可能ですが、TOEIC L&RおよびS&Wについては記載がありませんでした。

英検CSEからの引用 <https://www.eiken.or.jp/association/info/2015/pdf/20150317_pressrelease_cse.pdf>
とりあえず私は英検1級に合格していますので「334-399点」と読めそうです。
今後はTOEIC L&RとS&Wにてスコアを保有している人向け換算表なども正式リリースされるでしょう。
TEAP, TEAP (CBT)の受験料
繰り返しですが、TEAP, TEAP (CBT)は基本的に英語の四技能を測定するテストです。
しかしながら、出願大学の求める要件が異なることがある(Speakingは不要、Speaking + Writingは不要など)ため、合計で3パターンの受験があります。
それぞれの受験料は以下のとおりです。
Reading, Listening, Speaking, Writing : 15,000円
Reading, Listening, Speaking : 10,000円 (TEAPのみ)
Reading, Listening : 6,000円
これらの使い分け方は、出願大学の求める要件に応じて受験すれば良いということになります。
例えば「青学ではReading, Listening, Speakingのみを求めている」といった具合に。
あくまでも志望校に合格することが大事であって、TEAPでハイスコアを狙った勉強は不要となります。
個人的には、TEAP, TEAP (CBT)の価格レベルとしては決して高くないと感じています。
将来、WritingとSpeakingの答え合わせをAI技術でできるようになれば安くなるのでしょうが、現在では人間が一つずつ確認しなくてはなりませんので、Speaking, Writingが入ると10,000円を超えるでしょう。
普段、TOEIC L&Rの受験料が高いと愚痴っている人を意識してなのか、TOEIC L&Rのそれと近いものとなっています。
TEAP, TEAP (CBT)の受験会場
では、TEAP, TEAP (CBT)はどこで受験できるのでしょうか?
TOEIC L&Rレベルではないことは容易に想像できましたが、やはり少ないです。
調べたところ、TEAPについては全国12都市 (札幌、仙台、埼玉、千葉、東京、神奈川、金沢、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡)のみとのこと。
他方、TEAP (CBT)については東京と大阪の2都市のみでしか受験ができないようです。
その結果、受験人数は以下のようなレベルに留まっています。

ただ、公式HPにありましたが、2017年度第1回における受験者数は8,099人だったそうです。
今後は爆発的に受験者数が増えそうですね。
TEAP, TEAP (CBT)のサンプル問題を解いた感想
TEAP (CBT)のサンプル問題を公式HPで解けるようになっていましたので実際に解いてみました。
やはり、出題分野としては易しめな印象です。
英語で講義を受ける・英語で発表を行うといった場面が中心となりますので、大学生活の経験がある私にとっては、その状況を容易に想像できました。
加えて、ビジネス英語とアカデミック英語のレベル差についても感じました。
例えば、Readingにて「次の長いメールを読んで答えなさい」という問題があったのですが、ビジネスメールと比較してしまうと、正直、全然長くありませんで むしろ短いくらいです。
但し、問われている内容はしっかりとしており、変に簡単な問題も無く、不正解の選択肢も入念に作成されている感じです。
誰でも一瞬で見て解けるような、楽な問題にはなっていませんので悪しからず。
ということでTEAP, TEAP (CBT)について調べた結果をご紹介してきました。
大学入試用英語テストに採用されることで、TEAPの普及も一気に加速するでしょう。
数年後には、Business TEAP なるものが世に出てくるかもしれません
TEAP, TEAP (CBT)の公式HP → http://www.eiken.or.jp/teap/