誤解を恐れずに最初から申し上げてしまいますと、英語でツイッターを使ったとしてもそんな大した効果が得られないと思っています。
・・・いや、勿論「しないよりは した方いい」とは思いますよ!?
ただですね、何とも釈然としない部分があるというか、半分騙されているような気がするというか・・・。
理由 1 : 緊迫感がゼロだから
私の英語学習人生の時代を大きくカテゴライズするならば3つに分けることが出来ます。
一つは 日本の英語教育の下、「書き英語」を勉強した中学・高校時代。
オーストラリアへホームステイしたのもこの時でした。
二つ目がアメリカ留学時代。
高校3年生の夏からTOEFLの勉強を始めて、大学二年生に受けるであろう試験に備えてスコアを取りに行きました。
そして三つ目が仕事で英語を使いだした社会人時代です。
このことを人に話すと、
「やっぱりアメリカ留学すると英語が出来るようになるよね~」
って8割くらいの人から言われます。
・・・言われるんですが。
私が個人的に考える「総合的な英語力がググっと伸びた時期」って留学している最中ではないんです。
社会人になって仕事で英語を使い始めてからの方がよっぽど伸びたんです。
それはスピーキングもライティングもリーディングもリスニングも。
これって私だけに限定される話なのかどうなのかは不明ですが、とにかく「留学中に培った英語 < 仕事中に培った英語」なんですよ。
勿論、留学中にも英語力はアップしました。
それまでの英語力が「40」だとしたら、「80」くらいまで伸びました。
で、普通に考えますと「80」までいった英語力って「その後の伸びしろ」が当然少なくなってしまいますよね。
でも結果的に、私の英語力は「150」くらいまで一気にアップしたような気がするんです (あくまでも感覚ですが)。
で、それって何故なのでしょうか?
当然 要素は一つではありませんので断言は出来ませんが、今思うと「緊迫感・緊張感・責任感」が全然留学中とは異なるからだと考えざるを得ません。
つまり、同じ「英語で話す」という場面にしても、「その瞬間に責任が伴っているか?」とか「会社に不利益をもたらしてしまわないか?」って意識が働くことで、使う英語 (と言うか『言葉』というニュアンス) に重みが出てくるからだと思うんです。
一方で留学中を遡りますと、大学のキャンパスにいながら友人と話す英語ではそんな緊迫感ありません。
当然ですわな。喋る時に緊張感あるような人と友達やってられませんもんね。
でも、この違いってホント大きいです。
吟味に吟味を重ねて発した (or 書いた) 英語って、やっぱりその後 頭の中に残りますもん。
そして大きな財産になりますもん。
・・・で、まぁここまで話せば大体の主旨はご理解頂けると思うのですが、ツイッターで英語を使う時に緊張感ってないでしょ。
いやまぁ、多少の緊張感はあるかも知れません。
「文法あってるかな・・・」とかでね。
でも、「このツイートを送信することで100万円のロスを出すかも知れない・・・」ってあります?
・・・まぁ中にはあるかも知れませんけど・・・ (IT系企業の個人事業主とか)。
でもやっぱり、そこには緊迫感なんてものは無いんですよ (キッパリ)。
逆に言えばそういったことがツイッターの売りなわけですから。
「ブログをやるには面倒くさい、思いついたことをサラッと発信出来る場があればいい」と考える人が活用するツールですもんね。
そうなると、いくら英語で呟いたとしても、そんな劇的な英語力アップは見込めないのでは・・・?
先述の通り、やらないよりはやった方が意味ありますけどね。
ただ、一方で、
「実際の仕事で英文メールを使うときって、毎回そんな緊張感の中でやってんの!?」
と聞かれると、「いや・・・毎回そうではない・・・」と答えるしかありません。
メール打つ度にストレス掛かる場面に陥っている人がいたら全員心の病になってしまいます。
ですからねー、自分でこんなこと言いながらも、どこか一貫性が無い発言だなー、なんて無責任ながら感じてしまうところもあるんですよ。
そうなると、「やらないより、やった方が100倍意味ある」論が優勢になるんですけど・・・。
でも、1日10回程度のツイートを英語ですることで英語力・英会話力などを高めようとなると・・・どうでしょう、1年? 3年? くらいは継続してやらない限り、目に見えた効果ってのは見えないのではないでしょうかね?
(これも当然 「どこに目標を置くか」によって変わってくる話ではありますが)
ちょっと話は逸れちゃうかも知れませんが、私がアメリカ留学から帰ってきて、大学のゼミの教授から言われた一言を今でも覚えています。
「マクドナルドでハンバーガーを注文する英語力を身に付けても仕方ないぞ。本質的な意味で英語を身に付けてきたんだろうな」
中には「マックでオーダーする英語力を身に付けることが目標である」と言う人もいるはずですので、一般論としては 教授の発言にはツッコミ所があります (= 英語学習者全員には適用出来ない)。
ですが、100%的外れであるとも言い切れません。
英語でツイートをしていることが不毛な作業であるとは言いません。
でも、そこに劇的な英語力アップを期待しているようであれば、それはちょっと違う気がしてしまいます。
理由 2 : 間違いを訂正してくれる人がいないから
このテレビ番組で以前に取り上げられたのを今でも覚えていますが、人の成長に関する話題で「褒められて伸びるタイプ」ってのと「叱られて伸びるタイプ」のうちどっちだ?ってのがありますね。
私の記憶が確かであれば、MCの2人の意見は共通していて、
「褒められて伸びる人なんてこの世にいない。人が成長するのは何だかんだ言って、怒られたり叱られたりする時だけ」
と言っていたはずです。
これに関してはですね、不本意ながら私もそうだと思います。
最近特にそんな気がしてきました。
個人的には自分のことを「褒められて伸びるタイプ」なんて決めつけていましたが、単純に「怒られるのが嫌い」「傷つくのが怖い」「間違いを正されたくない」っていう気持ちが心の底にあったと思うんです (と言うか今でもあります)。
でもこれまでの20代の生活を振り返ると、仕事のスキルとか、コミュニケーションスキルとか、空気の読み方とか、ビジネス英語の使い方とか、貿易実務の知識とか、そういったこと纏めて全部に言えるのですが、怒られたり 間違いを指摘された時の方がググーーンと伸びてるんですよ。
一方で褒められた時は・・・どうですかね。
単純に自分の気持ちとして「嬉しかった!」っていうのは記憶していますが、その時・その瞬間に「成長したか?」と問われたら・・・うん、ちょっと違うな。悲しいけど (笑)
話を「英語でツイッター」に戻します。
英語で呟いた後に誰かから「この表現は違う! なに間違えてんだ!!」と怒号をあびることありますかね?
まぁ決して「怒号」を浴びる必要性もないのですが(笑)、最低限の間違いを訂正してくれる人っていますかね?
そして、そういう人は指摘できるだけの経験値を有している人ですかね?
・・・ま、中にはいるかもしれませんけど。
でもその人は間違いを訂正する義務も無ければ、強要させることも出来ません。言わばボランティアです。
ましてや、仮にそう言う人と知り合えて、英文の間違い・単語の間違い・語彙の間違いなどを指摘された時に、「間違えを指摘して頂きありがとうございます!」って素直に言えますかね?
「何だよ。うるせーなー。ほっとけ。クソリプ乙」
ってなる人もいるかもですね。
間違いを自分で見つけて、それを己が正しながら前進するといった形で成長出来る人は限られています。
本質的な意味で英語スキルを向上させるならば、英語で毎日つぶやくことは「成長・レベルアップ・スキルアップ」という観点からかけ離れている気がするのですが如何でしょう。
私が考える英語でTwitterをすることで得られること
アホみたいにツイッターの批判めいたことばっかり言っていても仕方ありませんので、きちんとメリットにも言及したいと思います。
英語でツイートすることで大した英語力は得られはしませんが、「じゃあ何にも実に付けることが出来ないか?」って聞かれますと決してそんなことは無いと思います。
色々あると思うんです。「日記的なことをつぶやく」ことで、その日一日の行動を英語で文章化するトレーニングになったり、それまで知らない単語をツイッター上で呟くことで暗記したりと・・・。
でも、やっぱりちょっと生温い気がして仕方ありませんね・・・。
私が考える、英語でTwitter を扱う最大のメリットは「英語アレルギーからの脱却」だと思います。
但し、これが通用するのは 英学習初心者・TOEIC 300点~500点・~英検2級保持者の人達と言ったところでしょうかね。
つまり、英語を勉強するに当たって、いきなり英字新聞とかTOEIC・TOEFL・英検の問題に手を付けると、7割くらいの人は、
「うわー、もう英語見たくねーー (- o -)」
って気持ちになると思うのですが、これから英語を勉強する人にとって、こんな英語アレルギーをもってしまうことは 是が非でも避けなくてはいけません。
出来れば「学ぶことの楽しさ」と「日々英語力が向上する感覚」を実感しながら勉強することが理想ですからね。
従いまして、いきなり「英字新聞を読む!」とか「字幕無しで映画を観る!」とかハイレベルなことをするのではなく、「ツイッターを英語で呟く」、同時に「人の英語呟きを読む」ってなことをしながら英語に触れた方がよっぽどバランスが取れた勉強法になるような気がするんです。
ただ、「人の英語呟きを読む」ってのも、当然、誤字脱字とかが存在しますから過信はすべきでないですけどね・・・。
いずれにせよ、「ツイッターでは英語でコミュニケーションを取る!」と決めたら、取り敢えず1年間 365日毎日英語でつぶやくと決め、人の英語呟きも参考にしつつ、楽しみながら英語に触れると英語アレルギーに陥ることなく、モチベーションを保つことが出来るんじゃないかと思います。
これは間違いなくツイッターのメリットの一つかと・・・。