先日、某IT関係の企業に勤める友人からTOEICに関する相談を受けました。
内容は「TOEIC L&R 800点を取れないから昇格出来なかった。勉強方法を教えて」。
「相談を受けた」というものの、実際にはLINEでのやり取りでしたので、具体的なことを伝えることは難しかったのですが、これを機に「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人」がすべきTOEIC L&R勉強法を考えてみました。
本気でやるなら妥協も戦略だ
改めまして、今回の勉強方法の対象者は以下のような人です。
いずれも、企業・組織に属していて、社内で英語習得が推奨されている方ですかね。
(1) TOEIC L&Rで一定のスコア・点数を取らないと昇格出来ない人
(2) TOEIC L&Rで一定のスコア・点数を取らないと降格になってしまう人
(3) TOEIC L&Rで一定のスコア・点数を取らないとクビになってしまう人
正直、(3) に関しては、これまでにこういう状況に置かれた人を直接聞いたことはありません。
でも、世の中には少なからず存在するようですので念の為含めておきました。
(1) も (2) も切羽詰まっているとは思いますが、(3) の比ではないでしょうね。
ですが、 ここでは一緒くたにさせて頂きます。(3) の人がいらっしゃったらどうぞご勘弁を。
ということで 先ずは 目的・目標設定 から。
クビ・降格を避けるにはきれいごとは言っていられないと想像します。
最終的に英語の習得が業務内容に直結することを考えれば、英語学習のプロセスにおいて、その「質」を重視しなくてはならないと思いますが、「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人」にとっては、そこまで完璧にする必要もなさそうです。
例えば、発音は学んでおけばTOEIC L&R リスニングや 単語の暗記には役立つでしょうけども、「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人」にとっては、ちょっと深く突っ込み過ぎかなと考えます。
本気でTOEIC L&Rのスコアを狙うなら 妥協も戦略です。
従いまして、「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人」が TOEIC L&Rを勉強する意味・目的を「仕事をする上で 変にTOEIC L&Rに振り回されないこと。その為のTOEIC L&R」くらいの位置付けにするのが妥当なのではないかと思います。
そして、TOEIC L&Rを勉強するに当たっての目標は、会社・団体が提示するスコアを取得すること。これだけですね。
尚、「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人」の中で、現時点でTOEIC L&R未受験という人がいらっしゃいましたら、いかなる勉強法を試すよりも、先ず本番を受験してみることをおすすめします。
理由は色々とありますが、一言で申し上げますと試験内容をある程度把握しておく為です。
TOEIC L&R申し込みはこちらから → http://www.toeic.or.jp/toeic/guide01/flow/net.html
また、「そもそも TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇なんておかしいよ!」といった議論はここでは致しません。
私自身も、TOEIC L&R信者が多い昨今の企業・団体に辟易しているところもあるのですが、そういう問題では無いんです。
私の友人のように「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人」が実際にいるのですから、その人たちに向けた勉強法を一例としてご紹介するだけであります。
TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人向けおすすめ勉強プロセス
では次に、具体的なTOEIC L&Rの勉強方法を考えていきましょう。
冒頭で登場した私の友人に紹介したTOEIC L&R勉強プロセスは以下の通りです。
① TOEIC L&R 頻出単語の暗記 (約200語)
↓
② リスニング模擬試験 (5回分)
↓
③ リーディング模擬試験 (5回分)
はい。恐ろしくシンプルな勉強法です。
では、何故上記のようなプロセスが効果的だと私は考えたのでしょうか?
それは「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇」が決まってしまう人が、以下のように分類できそうだからです。
(1) 英語に興味が無い技術系の人
(2) 英語を使う必要の無い事務職・事務職の人
(3) これまで英語に関心が無かった管理職の人
私の感覚で勝手にカテゴライズしていますので、当然該当しない人もいると思います。
ではでは、何故上記のような人たちにとって、先述した TOEIC L&R勉強法がおすすめ出来ると考えられるのでしょうか?
私の勝手な推測になるのですが、上記のような人たちは非常に真面目な性格の持ち主だと思うのです。
中学校、高校の英語の授業もある程度しっかりと勉強してきましたような (多分)。
故に、基本的な英単語・英文法は習得済みであり、改めてゼロから勉強する必要もない。
但し、それらの記憶を呼び起こす作業は必要である。
そういった意味で、この3段階の勉強ステップが効果的だと感じるんですよね。
では、それぞれのステップを見ていきましょう。
① TOEIC 頻出単語の暗記 (約200語)
単語の暗記量は 200語で十分 です。
あんまり無責任なことは言えませんが、TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人の前提が「中学校、高校の英語の授業もある程度しっかりと勉強してきた人」とさせて頂いておりますので、これくらいでリスニングもリーディングも攻略できるはずです。
また、「日本語を見て、それを 英語で書く」といったレベルまで暗記する必要もありません。
理由は TOEICではスペリングは問われないので実践的ではないからです。
とりあえずは、「英 → 和」を口頭で言えるくらいの暗記レベルが必要でしょうね。
そしてその後に「和 → 英」を発音できれば十分だと思います。
ちなみに 「200語」という具体的な数字の大元は以下の教材です。TOEIC L&R 単語を暗記するに当たりまして、単語集・単語帳はこちらを使うのをおすすめします。私も使いました。
② リスニング模擬試験 (5回分)
TOEIC L&R頻出単語200語を頭に入れた上で解くべきはリスニングです。
パート毎に分割して解くのではなくて、パート 1 からパート 4 まで通して問題を解いてみることをおすすめします。理由は、リスニングの体力をつける為と先読みの技術を身に付ける為。
これを出来れば5回 (= 5周) 行うのがおすすめですかね。
5回の内訳と致しましては、同じ問題を5回でも良いですし、「2・2・1」や「3・2」 の割合でもいいと思います。
問題を複数回解くことで得られるメリットに関しては以前に書いたこちらの記事をご参照下さい。
また、リスニング教材・参考書としては、こちらの公式本がおすすめです。
③ リーディング模擬試験 (5回分)
リスニングを500問 (1回分 = 100問 x 5周) 解き終えたら、次はリーディングの勉強に取り掛かりましょう。
ちなみにですが、リスニングとリーディングを並行して勉強してもいいとは思います。
しかしですね、通常の日本語脳を 英語脳と言いますか、リスニング脳に変えるには意外と時間がかかるのですよ。
従いまして、出来ればリーディングに取り掛かるより前に、頭をリスニング漬けにすることが望ましいと思います。
リーディング問題も取り敢えず5回分、全500問を解いてみます。答え合わせもきちんとして、不可解な点は一つ一つ潰していきましょう。
おすすめ教材ですが、リスニングもリーディングも公式問題集ですかね。
これを通らずにはTOEIC L&Rを攻略は有り得ないでしょう。
TOEIC L&R テクニックは最後
というわけで、ざっくりとした感じになってしまいましたが、「TOEIC L&Rで降格・昇格・クビ・解雇が決まってしまう人」向けおすすめ勉強法を考えてみました。
その人が置かれている状況は個々によって異なる為、結局 汎用的な勉強法に落ち着いてしまいましたね。
本来であれば、「時間の活用術」とか「演習問題を解く際のポイント」とか「モチベーションキープ法」とか「解答・答え合わせ時のポイント」などのように考慮しなくてはならないこともあるとは思うのですが、対象が広いので絞り込むことは得策ではないと判断しました。
その中で、一つ言い切れることがあるとすれば「TOEIC L&R におけるテクニックは最後にすべし」ということでしょうか。
私の友人も、「なんか手っ取り早い方法とかってないの?」と最初に尋ねてきましたが、そういったことは、ある程度 勉強時間を積み重ねた後にすべきだと伝えました。
彼女のような仕事も勉強も出来るような人にとっては、王道の勉強法を試して貰った方が効率的だと思います。
普通にやれば出来るのに、最初から小手先のテクニックに走ってしまったがばかりに会社が指定するスコアを取ることが出来なかったなんてのは勿体無さ過ぎますからね。
「毎日地道に1時間の勉強を」と急かす必要もありませんが、とにかく今回ご紹介したようなステップを踏んで勉強をすれば、降格やクビになることはなく、また昇格もすんなりと実現することが出来るのではないかと思います。