先日のインドネシア出張中に、多くの日本人駐在員の人と話をしました。
どの人にも共通している点が、日本にいた頃は海外とのやり取りなんて殆どしておらず、急な辞令で海外駐在になったことです。
海外とのやり取りをしていないということは、英語はろくに話せないと言うこと。
でもそんな人たちでも一度海外に赴任すると、数カ月後には問題無く英語で現地の人とコミュニケーションをとっているんです。
今回のインドネシア出張の際に その理由を計4名の駐在員の方に聞いてみましたので、ここで共有したいと思います。
英語が一番簡単なコミュニケーションツールだと知るから
4名中4人が口をそろえていったのはこれです。
日本ではそれまで「英語って難しいな・・・」と思っていたものの、実際にインドネシアに来るとインドネシア語が共通語となり、英語は言わば第二言語扱いとなった訳です。
私も含めて、普通に日本で仕事をしている人にとっては 英語を学ぶ機会よりもインドネシア語を学ぶ機会の方が圧倒的に少ないはずですよね。
インドネシア語で「ありがとう」って何と言うか知ってますか?
そう考えると、日本人にとって 英語って比較的簡単な言語だってことに気付くんです。
もちろん、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語が母国語で有る国に駐在する人にとっては違うのでしょう。
でも、インドネシア、マレーシア、台湾、韓国、タイなどへの赴任者にとっては、「現地の言葉よりはまだ英語の方が喋れるな・・・」と感じる模様。
本当にメンタル的なことではありますが、この妙な遠近感を知った瞬間に英語に対するマインドブロックが外れたそうです。
インドネシア語では全く通じないけども、下手くそながらも英語なら通じる、というスタンスになり、その英語を少しずつ勉強し始め、結果的にはコミュニケーションには問題無いレベルまで上達すると。
もちろん環境が変わったこそこういった考え方に切り替わったのでしょうが、これって日本にいても気付けなくはないことだな~と個人的には感じました。
いろんな意味で危機感を持つから
これも結局は環境の変化がきっかけではりますが、仕事にしろプライベートにしろ、異国の地で生活するということはとても大変でなはずです。
これまでの人生で普通としていたことが普通で無くなり、それまでの自分の生活ペースが大幅に変わってしまいますもんね。
ストレスも相当溜まるでしょうし、上手くいかないことも多いそうです。
そういった環境に人間が身を置くと、自ずと自分の心地よい空間・環境を見つけよう・作り出そうと努力するそうなんですよ。
日本では決して持つことの無かった危機感を、海外駐在と同時にもつことになり、それを払拭すべく一つ一つのことを自分仕様に変えていく。
その為には人を動かさなくてはいけない。
人を動かす為には言葉で自分の意思を伝えなければならない。
結果的に英語を使わないといけないんです。
ある駐在員の方によりますと、「英語の上達具合と生活の慣れは比例する」とのことでした。
私は駐在経験が無く、あくまでも出張ベースではあるのですが、大変納得させられるご意見でした。
短期間で身に付けようとする意識が働くから
最後の理由は「短期間で英語を習得しなくては」と感じたからだそうです。
私も英語学習相談では「単語は1ヵ月で5000語を暗記して下さい!」なんて申し上げていますが、やっぱり英語学習おいてスピードの意識は大変重要です。
「1年後のTOEIC L&Rで900点を取ります!」と宣言されたとしても説得力ありませんしね。
ましてや、駐在員の人達は仕事で結果を出さなくてはなりません。「まだ赴任したてだから・・・」と言うのは理由になりませんから。
となると、「1年後に英会話をマスターすればいいか♪」なんていう悠長な考え方は無い訳ですよ。
この意識がきっかけで1分1秒も無駄にしない英語学習 (実際は仕事を通しての方が多いそうですが) が始まるんだそうです。
逆に日本にいるとこういう意識は絶対に生まれなかったとも言っていました。
また、4人のもう一つの共通点が「いつかは英会話を出来るようになりたいと思っていた」だったんですが、「それくらいの気持ちでは一生英語なんて出来ないっすよ」と振り返っていたのが印象的でしたね。