転職を考えている人が最初に悩むのは「どの転職エージェントを使うか」だと思います。
2度の転職を経験している私も、1回目の転職の際には相当悩んだ経験があります。
しかし、2度目の転職活動では全く悩まずに1社だけを選びました。
(最終的にはRobert Waltersから誘いがあったので2社登録)
その理由は、転職エージェントはどれを選んでもそこまで大きな違いはないと感じていたからです。
結局、人(担当者)次第
もちろん、転職エージェント自体に違いはあります (が、「違い」についてはここでは触れません)。
しかし、私が感じたのは、「いくら最高・最適な転職エージェントを選んで登録したとしても、転職が成功するかどうかのポイントは担当者さん次第だ」ということでした。
私の体験談ですが、担当者さん次第で以下の点において、その質が異なります。
1. メール・電話のリスポンスの速さ
2. 業界知識
3. 他の選考者情報を流してくれるかどうか
4. 顧客 (応募先の意)との親密度合い
簡単にご説明します。
1. メール・電話のリスポンスの速さ
転職エージェントを利用すると、新規求人(案件)の紹介メールや職務経歴書の訂正まで、様々なコミュニケーションをとることになります。
基本的にやり取りはメールベースだと思いますが、このレスポンススピードが担当者で大きく異なります。
普通に考えると個人で異なるのは当然ですが、私の印象では年齢に関係なく、仕事にやる気がある人ほどレスポンスは早いです。
(全員がやる気があるわけではないということはご理解いただけると思います。)
2. 業界知識
私たち転職希望者は、「転職エージェントなら、自分の志望する業界に関する知識をもっていて当然」という認識で相談にきています。
しかし、担当者全員がそうかと聞かれるとそうではないですし、その知識にもレベルがあります。
私の印象では、明らかに「若い担当者 < ベテラン担当者」です。
ただし、注意しなくてはならない点は「年齢が高い ≒ ベテラン担当者」ということ。
転職エージェント業界においても、転職はしょっちゅうあるため、40代の担当者といえどもベテラン担当者であるとは限らないのです。
3. 他の選考者情報を流してくれるかどうか
私がトムソン・ロイター ジャパンの二次面接に合格し最終面接に臨む際に、当時のDODAの担当者さんは有益な情報を提供してくれました。
1. 最近、最終面接を受けた人がどんなことを聞かれたか
2. 過去に合格した人の受け応え
3. 最終面接に出てくる人の情報 (ポジション、出身畑など)
これらの情報なしに面接対策は打てません。
私の感覚では、全体の7割の担当者はこういった情報を積極的に流してくれます (転職させることが目的なので)。
しかしながら、中にはこれらの情報を流してくれない担当者もいます。
私の印象としては、「ベテラン担当者 < 若い担当者」です (若い担当者の方が情報を流してくれる)。
相対的に優劣をつけるべく、合格する見込みが高い候補者には情報を流し、見込みが低い候補者には流さない担当者もいるようで、そういった器用なことができるのはベテラン担当者に多いようです。
4. 顧客 (応募先の意)との関係性
私たち応募者の要求について、「転職エージェントが間に入り折衝する」ということが転職エージェントを利用する目的の一つだと思います。
そして私たち応募者は、「無理な要求でも、転職エージェントが交渉し何とかしてくれる」と無意識に認識しています。
これも幻想だと思います。
想像してください。転職エージェントの担当者といえども、顧客と必ずしも良好な関係を築いているとは言えないですよね。
私の印象ですとベテランも若い担当者も関係ありません。
年齢に関係なく、顧客 (= 主に人事部の人)と仲良くなれる人はなれますし、なれない人はなれません。
理想は人懐っこくて、人の懐に飛び込める人でしょうか。
ネットで100時間情報収集するよりも、直接会って1時間の方が価値がある
転職エージェントを選ぶのに時間をかけてしまっている理由の一つは、ネット上に比較サイトが溢れかえっているからでしょう。
もちろん各社の得意分野、実績、案件など違いがあるので、入念に選んでから行動したいと思うのが人間の心理です。
しかしながら、上述のとおり転職エージェントを厳選したところで、担当者によって運命が変わってしまうことも多いにあります (担当者の変更は認められていますので、希望すれば問題ないはずです)。
従いまして、転職エージェントの良し悪しは 比較サイトや口コミで決めるのではなく、自分自身で決めることとしましょう。
最善の策は、良さげな転職エージェントがあれば直ぐに登録して担当者と直接相談することです。
そこで得た情報・感じたことが、その転職エージェントに対する評価です。
私の体験談ですが、最初の転職活動の時には恐らく20社くらいに登録しました。
「恐らく」と、記憶が曖昧な理由は、実際に会って相談をしたものの全く転職エージェントとして機能せず、数多くの会社を見切ったためです。
そういった会社に限ってウェブ上では立派なサイトを作っていたりします。
また、ウェブ上では魅力的な大型案件 (= 誰もが知っている大手企業の案件)を掲載しているにもかかわらず、実際に会って相談すると、「その案件は最近になって決まっちゃいました」などの理由をつけて応募すらできないなんてケースもありました。
ネット上の口コミ・評判がいくら良くとも、あなたが「最悪だ」と感じれば、それは最悪な転職エージェントなわけです。
相対的に比較した情報で良し悪しを判断するよりも、あなた自身が感じた絶対的な感情に従うべきだと考えます。
転職エージェントの比較はそんなに意味ない
既に触れてきましたが、転職エージェントの比較自体、そんなに意味がないことだと思っています。
そんなことより優先的に考えなくてはいけないことは、あなたの転職先です。
その転職先候補を漏れなく網羅したいわけですから、比較をするのではなく、さっさと複数社登録するわけです。
積極的に採用活動を行っている会社であれば、大手転職エージェント全てと契約していますので、どこのエージェントに相談しても必ず出てきます。
ポイントは、一社のみに人材紹介をお願いしているような企業も必ず存在するということ。
こういった企業があなたの希望する転職先である可能性も否定できないため、複数の転職エージェントに登録せざるを得ないのです。
ちなみに、私の最初の転職活動時に、どのエージェントと相談しても必ず名前が出てきたのが楽天でした。
2010年頃ですから、何かと事業を拡大しようとしていたのでしょうか (その姿勢は今も変わりませんが)。
一方、その時に転職した会社、つまり私の前職では中途採用を行うに当たり、マイナビとしか契約していませんでした。
いずれにせよ、転職エージェントの比較はそこまで意味はないので時間はかける必要はないというのが一つと、結局は、あなた自身が能動的に動き、自分自身で判断し、失敗しながらも推し進めていかなくては、転職活動を成功させることなどできないということです。
時間をかけて転職エージェントを吟味しているようでは、転職活動に対して受動的であると思われても仕方ありません。
ササッと選び、自らその仕事ぶりを観察する、というスタンスでいたいものです。