「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の感想・レビュー ②

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の感想・レビュー ②

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」を買いました。

ベストセラーの単語本ですのでトライしてみたいと思います。

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の感想・レビュー ①

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の感想・レビュー ②  (この記事)

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の感想・レビュー ③

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の使い方

最初に「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の使い方について。

一応、同書内では以下のようなステップで使うことが推奨されています。

 

1日の学習量は4ページ、学習単語熟語数は16となっています。

1つの 見出し語・熟語につき、定義を学ぶ「Check 1」、フレーズ中で単語・熟語を学ぶ「Check 2」、センテンス中で学ぶ「Check 3」の3つの「モード学習」が用意されています。

まずは、該当のトラックを呼び出して、「チャンツ音楽」のリズムに乗りながら見出し語・熟語と定義を「耳」と「目」で押さえましょう。

 

Check 1 :「アメリカ英語→日本語→イギリス英語」の順に収録されている「チャンツ音楽」で見出し語・熟語とその意味をチェック

Check 2 :Check 1 で「見出し語・熟語→定義」を抑えたら、その単語・熟語が含まれているフレーズをチェック。

Check 3 :センテンスレベルをチェック

 

いかがでしょう。イメージを掴めますか。

いずれにせよ、カスタマイズして使用するというよりは、既に単語を暗記する仕組みが整っていますね。

音声やレイアウト、チェックシートなど、至れり尽くせりの内容となっています。

【関連記事】 TOEICの勉強が楽しくない人の根本的な理由・原因

 

なお、この赤のチェックシートですが、久しぶりに手にしました。

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中学、高校の勉強の中で使ったことはあったと記憶していますが、こと英単語を暗記するに当たっては・・・確か、使ったことがありません。

私はやっぱりカード推しです。

 

さて、使い方に戻りますが、先述のとおり、だいぶ丁寧に細かく暗記する仕組みが出来上がっています。

その中で、「発音注意」や「アクセント注意」といった記載もあるのですが、これについてはうーんちょっと。

 

何がかというと、どこにどう注意するのかについて記載がないんですよね。

まぁ、ある程度英語を学習してきた人であれば直ぐに気付くのでしょうけども。

例えばこちら。

 

inclement [inklémənt]

 

最初の”i”にアクセントをつけてしまいそうですが、実際には2番目の”e”にアクセントがつきます。

この、「最初の”i”にアクセントをつけてしまいそう」ってのは、誰でもそう感じる取れるわけではないですからね。

 

さらに、先日紹介したCNNのような発音については記載なしです。

ネイティブの音声つき、しかもアメリカ英語とイギリス英語が聞けて最高かよ!と思うかも知れませんが、実際の会話の中で話す・聞くとなると、全く別の聞こえ方になるので要注意。

【関連記事】 「CNN ENGLISH EXPRESS」の感想・レビュー

 

いずれにせよ、「ただ聞いていれば頭に残り、使いこなせるようになる」とは到底思えません。

キクタンに限らず、単語本の多くは基本的に「インプット」をするだけに留まっています。

(TOEIC公式問題集は完全に「アウトプット」型で、その他の参考書兼問題集は、「インプット」と「アウトプット」が混在)

 

キクタンで目一杯インプットしたならば、同じだけアウトプットをする必要があると思うんですよ。

一応、赤のシートを使って、自分が暗記できるかどうかをチェックすることができる (= アウトプットができる)と思いがちですが、これでは少し弱いような気がします。

 

と言いますのも、登場してくる順番で暗記をしていたり、ページのレイアウト位置で暗記をしていたりすることがあるため。

一定の整った条件下でないと単語がでてこない (= アウトプットできない)、というのは残念ながら「単語を自分のものにした」とは言えません。

 

なお、「1日最低2分から学習に取り組むことができます。スキマ時間を有効に活用して、いつでもどこでも手軽に学習ができます」と謳っていますが、これについては当然ですので特にコメントなしです。

単語本はスキマ時間で勉強できて当然です。

2分からと言わずに、1分、30秒単位で使えますよ。

 

 

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の難易度

では続いて、「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の難易度はどれくらいなのか考えたいと思います。

全ての単語に目を通しましたが、やはり「990」と謳っているだけあるなと感じました。

 

決して簡単な、頻繁に目にするような単語だけではなく、もしかしたら3回に一回しか出題されないかもしれない単語なんかもあります。

例えば、sag, ameliorate, culinaryとか。

 

ただ、これらの単語が正答に直接結びつくか?と聞かれたら答えはNoです。

Part 7の一部に登場したり、Part 4の不正解の選択肢に登場するだけ、といった難解単語は意外と多く存在します。

もちろんそれらを知っていれば、消去法を駆使して正答を導けるんですけどね。

 

また、音声はリズミカルな音楽が流れ、それに合わせて単語が暗唱されますので、難しい単語が多く出ると言いつつも、楽しく勉強ができます。

最近ではNHKのエイゴビートで同様の手法が取られていますが、これは効果が絶大です。

私が中学一年生の頃に毎日聞いていた基礎英語Ⅰで出だしに暗唱されていた”How do you do?”のメロディは未だに頭に残っていますしね。

 

また、例文を読み上げてくれますが、これはTOEICで出てきそうな内容、さらにコンパクトな長さとなっており、TOEICハイスコアを狙うには丁度良いと感じました。

あんまり長すぎても良く分かりませんし、短すぎて直ぐに理解できちゃっても良くないです。

難易度が高いと言うのは、あくまでも単語だけに限った話で、その他の学習手法についてはビギナーにも易しい作りになっていると感じました。

 

 

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」の解答・解説の質

では次に、解答・解説の質について。

単語本には解答もクソもないので、解説の質、というか「説明内容・記載内容」について見ていきますか。

 

既に何度もお伝えしていますが、単語本としては十分すぎるほど説明内容は充実しています。

発音記号、和訳、派生語、例文、フレーズ、はたまた出題されるパートまで・・・。

「発音注意」と「アクセント注意」についてはもう少し説明があっても良い気がしますが、TOEIC 990を目指すレベルの人であれば気にならないでしょう。

 

書籍としては申し分ないと思いますが、音声CDの方はどうでしょうか。

「チャンツの米英2カ国発音対応化」を売りにしているようですが、こちらは使えるのか使えないのかよくわかりません。

 

和訳を挟んで「アメリカ英語 → イギリス英語」で発音してくれるのですが、単語だけを発音されてもなかなか身に付かないと思います。

私が未熟なだけなのかもしれませんが、やはり「米語での例文」と「英語での例文」といった具合に、文章で読み上げてくれないと実践感がありません。

 

他方、音声CD中の「スピード」は絶妙な間合いで良いと感じました。

もっと、一つ一つの単語のインターバルがあると思っていましたが、そこそこのペース・リズムでどんどん進んでいきます。

単語を覚えるならこれくらいのスピードでどんどん頭に叩き込まなくてはならないですからね。

 

さて次の記事では、「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 990」を使って勉強するのがおススメな人、おススメでない人などについて書いていこうと思います。

 

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