TOEIC L&R Part 7 を苦手としている人、嫌いな人、見るのも嫌な人は大勢いらっしゃいます。
私も「新聞記事」はあんまり好きではないですし、その他の題材も決して好きであるとは思いません。
そんなTOEIC L&R パート7ですが、見方によっては意外と楽しめるパートにもなるんです。
TOEICL&R Part 7 はゲームである
パート7 の解答を雰囲気で答えてしまったり、自分の頭の中で勝手にストーリーを発展させ、適当な選択肢をチョイスしてしまう人がいますが、Part 7 の設問に対しては、必ず本文中に正答の裏付けとなる根拠が存在します。
設問の種類によっては、 What is suggested? や What is implied? のように、直接的な正答裏付けがないパターンもありますが、それらの設問にしたって 間接的にほのめかす表現は間違いなく存在するんです。
従いまして、雰囲気で答える必要はありませんし、適当な選択肢をチョイスする必要だってないのです。
何故ならば、正答は本文の中に書いてあるのですから。
いや勿論、その正答根拠・裏付けを本文の中から探すに当たっては、本文の内容理解を正確に出来ていなければなりませんので、単語・熟語・文法は勿論、一般常識・ビジネス知識なども、最終的には必要なスキルでは有ります。
こんなことを聞くと、
「結局、単語・熟語なんかの基本知識やビジネススキルがないと解けないパートじゃん・・」
と感じられるかも知れませんね。ただ、思い出してみて下さい。
小学校の国語のテストです。
読解問題を解いた経験があると思いますが、例えそれが日本語で書かれていたとしても、当時、全ての言葉を理解していましたでしょうか?
そして、理解した上で毎回 問題を解いていましたか?
中にはもって生まれた天才もいるかも知れませんが、少なくとも私は違いました。
何を言っているか 例え母国語でも分からない中で、国語のテストを解いていました。
前後の文章や全体の話から捉えるようにして。
話を TOEIC L&R Part 7 に戻します。
Part 7 が Part 5 や Part 6 と決定的に異なる点は、その文章量です。
パート 6 はそこそこありますが、パート5に比べたら 文脈が多分に有ります。
意味不明な表現が登場しても、前後の文脈から想像・妄想することだって出来ます。
そして、その中に必ず正答を裏付けるだけの根拠が存在するんです。
「宝探し」と表現すると余計に分かりにくくなるかもしれませんが、言って見ればこれはゲームです。
本文に書かれていないことは正答にはなり得ません。
例え選択肢に、”the sky is blue” とあっても、本文中にその記載がなければそれは間違いになりますのでね。
さて、あなたはゲームが得意ですか?
本文の中には、設問と一切関係ない情報が満載である
TOEIC L&R Part 7 でしばしば話題になるのが、「先に設問を読むべきか?」「先に本文を読むべきか?」って言う解き進める順番です。
この議論自体はちょっと置いておきますが、いずれにせよ 本文はどうしたって読まないといけませんよね。
その時に、誰しも、精読スキルと速読スキルを駆使させて、最初から最後まできっちり読まれると思うんです。
先に設問に目を通す人であれば、「設問で問われている箇所はどこかな〜?」という視点で読む筈。
その際に、TOEIC L&R Part 7 が苦手な人・嫌いな人・アレルギーをもっている人は、全体の内容をきっちりと把握する為に、丁寧に読み進める人が多いと思うんです。
でも私が思いますに、そこまで丁寧に読む必要もないような気がするのです。
理由は、本文には設問で問われていない情報の方が圧倒的に多いから。
ただ一方で、限られた時間の中で「設問とリンクしている箇所だけを読む」なんてことは不可能でしょうね。
ですから、適当に読む必要があるとは言いませんけど、そこまでじっくりと情報を記憶しながら読み進める必要もないのでは・・・と。
例えば、”ABC City Hall was established in 1970 …” を読んだ時に、
「よし、1970年だな・・・。設問で聞かれるかもだから、憶えておこう。1970年。1970年・・・。」
といったことを行う必要はないということです。
それよりも全体の趣旨をいち早く把握するのと、部分部分で登場する出来事・情報・変更事項などを、位置的に記憶し (= 第一パラグラフにこんなことが書かれてある、等)、いざ設問を読んだ際に、
「あ、コレ。正答は第二パラグラフの終わりの方だったなぁ」
って、直ぐに戻れるくらいがちょうどいいのかなと思います。
そう考えますと、TOEICL&R Part 7 が苦手な人・嫌いな人・アレルギーをもっている人は、ちょっと重く考え過ぎだと思いますし、もっと割り切ってTOEIC L&R Part 7 と向き合う方が良いかと。
私の周辺情報から判断しますと、こういった真面目に英文をきっちり読もうとする人は、学校 (= 小学校・中学校)の成績が優秀だった人が多いです。圧倒的に。
日本人らしいと言えば、そうだとは思いますが。
また、もう一つ付け足すならば、先ほど触れたような”ABC City Hall was established in 1970 …” で言うところの “1970年” ってありますよね。
こういったいかにも設問になりそうな情報って、実際 殆ど問われません。
私の場合、読み進めていく中で
「あー、ここはいかにも問題化し易そうなことが書いてあるな〜。ってことは、これは無視してよしと」
ってな具合に、自己判断で無意識のうちに読まないようにしています。
私は未だリーディングで満点を取ったことがありませんので、この意識が100%正しいとは言い切れませんが、まぁ450点を叩き出すにはこれくらいの感覚で十分だと思いますよ。
TOEIC L&R の中で最も実践的なリーディングスキルを学べるのである
最後はまたちょっと違った切り口です。
TOEIC は一応、ビジネス英語の「聞く・読む」を試験化した内容になっていますが、そこまで実践的であるとは思いません (あくまでも私見ですが)。
当然、Part 5 で学ぶ単語・熟語はビジネスの場で使用することはあると思いますが、穴埋め問題が仕事で登場することは基本、ないと思います (英語の先生、及び予備校講師などはあるかも知れません)。
ですが、Part 7 で直面する 「英文メールを読む」ことや、「新聞記事を読む」、更には、「英語の広告を読む」なんてことは、業界・業種にも依るところはあるものの、しばしば実際の仕事の場面で登場するでしょう (勿論、それらに対して設問は用意されていませんが)。
そう考えますと、パート 7 って、TOEICL&R の中で最も実践的なリーディングスキルを学べるパートと考えられるわけです。
TOEIC L&R を勉強して、目標スコアを取って、はい終わり。ではなく、そっくりそのまま上述したような経験値を活用出来るんです。仕事に活かせるんです。
この点に着目すると、どれだけ苦手だと思っていても やり甲斐がありますし、ただ漠然と「英語のリーディングスキルがアップした」で終わってしまう必要もありません。
従いまして、TOEIC L&R Part 7 が苦手な人・嫌いな人・アレルギーをもっている人は、「難しいけど頑張れば価値があることなんだ」と再認識しながら 勉強を進めるべきではないかと思います。
ということで、TOEIC L&R Part 7 が苦手な人・嫌いな人・アレルギーをもっている人が「パート7がちょっと楽しめるようになる」思考法・解き方・対策をご紹介しました。
TOEIC L&R の勉強は短期的にパパッとやってしまうのが定石ではありますが、ことPart 7 に関して言いますと、時間をかけてゆっくりと嫌いにならないように進めてもいいのかも知れませんね。