私はこれまでに英語用・ビジネス用電子辞書を何度かご紹介してきましたが、キングジムが面白そうなものを発売していたので気になって調べてみました。
電子辞書ではないのですが、いわゆるワードリーダーです。
オフィス・家庭用文具メーカーの同社がどのようなワードリーダーを開発したのでしょうか。
そもそもワードリーダーとは?
「ワードリーダー」と聞いて直感でそのものを想像できる人はいいのですが、できない人は以下の公式Youtubeをご覧ください。
1分強の動画ですので直ぐに概要を掴めると思います。
はい、ご理解頂けたと思います。
「ワード」を「リード」し、その意味を知ることができる機器のことです。
仕組みとしては以下のとおり。
・ 内臓カメラで単語を撮影・認識する
・ OCR (= 自動文字認識エンジン)により「画像 → 文字データ」に変換を行う
・ 搭載されている辞書データから意味を検索する
動画にもありましたが、採用されている言語は5言語(日本語含む)、9つの辞書しかありません。
英語、韓国語、中国語だけですので使用範囲はだいぶ限られる印象です。
そして、上にもありますが、辞書データーはオムロンソフトウェアのものを採用とのこと。
この会社はオムロングループのソフトウェア開発会社で、駅の自動改札機、銀行ATM、クレジットカード決済端末、ヘルスケア機器、FA (= Factory Autometion)などの事業向けソフトを主に開発・販売しています。
その中で、「スマートフォン向け日本語入力システム」についても開発を行っており、キングジムはこの技術を採用したということになります。
まだまだ馴染みがありませんが、2020年以降は機械翻訳の精度が上がり、より馴染みのあるものになると思われます。
→ オムロン ソフトウェアが Android™スマートフォンをかざすだけで瞬時に翻訳するリアルタイム翻訳アプリ『TranScope(トランスコープ)』を発売
このワードリーダー「イミシル」の特長は以下のとおりです。
・ わからない単語を“撮るだけ”なので、キー入力が難しい中国語や韓国語を即座に知ることができる点
・ ネットワーク接続が不要なのでどこでも使えて通信料の心配が不要な点
・ 外出先でも入手しやすい乾電池駆動なので、電池切れの際にも安心な点
ただ、3つ目の「電池駆動」については、公式HPに以下の記載がありました。
二週間前後で電池を交換しなくてはいけないのはキツイですね。
<電池寿命>
アルカリ乾電池使用時 : 約12日間(1日あたり10分間の使用を想定)
エネループ使用時 : 約15日間(1日あたり10分間の使用を想定)
イミシル (Imisiru)と電子辞書との比較
ワードリーダーを買うか、電子辞書を買うか迷っている人がいるかもしれませんので、イミシルと電子辞書を比較してみます。
単純に相対論とすべく、⚪︎と×で比較してみます。
電子辞書 | イミシル | |
価格帯 | × (15,000円以上) | ⚪︎ (10,000円以下) |
持ち運び利便性 | × (250g以上) | ⚪︎ (70g以下) |
収録辞書数 | ⚪︎ (200前後) | × (9つ) |
機能 | ⚪︎ (多数) | × (文字認識のみ) |
英語学習への実用性 | ⚪︎ | × |
ビジネスへの実用性 | ⚪︎ | × |
海外旅行への実用性 | ⚪︎ | ⚪︎ |
といった具合ですので、電子辞書と比べてしまうと、やや機能的に劣ると言わざるを得ません。
加えて、このイミシルは単語の翻訳は出来ますが、文章の翻訳ができません。
従いまして、実用的な使い方とすれば中国、韓国に旅行に行く際にホテルやレストランで理解できない単語と遭遇したら使う、といった形にしかならなそうです。
ワードリーダーの実用化にはまだ時間がかかる
次に日本に一時帰国する際にこのイミシルを購入してみようと考えていました。
オムロンはFA分野で非常に強く、私も商社マン時代に何度かお世話になっている会社です。
同社やKEYENCEの文字認識システムは世界に誇る技術ですので、2018年現在(本品の発売は2016年ですが)、どのレベルまで精度が上がっているかを確かめたかったのです。
・・・しかし、Amazonのレビューに目を通すと、「ああ、やっぱり・・・」と思わざるを得ない結果でした。
やはり、と言いますか課題が浮き彫りになっていますね。
昨今のAmazonレビューは広告費を上手く使えばある程度は意図的に評価コントロールができてしまいますので、そのまま鵜呑みにしようとは思っていません。
思っていませんが、この誤認識問題は私の想定してたとおりでした。
近い将来、この手のワードリーダーはより身近なものとなり、英語に代表される外国語を理解できなくとも世界中の人々とコミュニケーションを取れる日が訪れるはずです。
その時には、「このイミシルは当時のプロトタイプであった。これがあったから今がある」と言えるよう、今後の発展系に期待したいと思います。