海外駐在して早10ヶ月目。
日本でも英語を使って長らく仕事をしていましたが、やはりそれとは大きく異なります。
TOEIC L&Rは「ビジネス英語」の試験ですが、勉強しても実際のビジネスの現場では全く意味を為さない事柄を紹介します。
Part 1 の写真描写問題
2016年5月の新形式への移行に伴い問題数が10問から6問に減りましたが、ETSは気付くの遅すぎです。
【関連記事】 TOEIC(R)テスト 出題形式一部変更を発表 【第210回公開テスト(2016年5月29日)より】
海外で働いていない人でも気付くと思いますが、ビジネスの場面で写真を描写することはありません。
私が一貫して営業畑を歩んでいるからでしょうか。
内勤のマーケティング職は? SEは? 経理は? 総務? 工場勤務? 医者? 弁護士?
ないですね。
強いて言うならば英語教師でしょうか。
写真に限らず、状況を描写するくらいの英語力はないと英語教師なんて言えませんから。
でもそれも、厳密にはTOEIC L&Rではなく、SWの方の話。
TOEIC SWの写真描写問題は比較的意味があると思いますが、それでも“Tablecloth is folded in half”とか”Vehicles are parked in parallel to each other.”などの表現を実際に使う場面に出くわしたことはありませんが。
いずれにせよ、TOEIC L&Rの場合は、写真描写を「聞き取る」ことが求められていますので、これをいくら勉強してもビジネスの場では役に立っている気がしません。
メモ書きを禁止された上で解かなくてはならないPart 3 & 4
これは問題の内容というよりは、TOEICの試験環境に対してということになります。
毎日社内会議や顧客と打ち合わせを行う私は、1対1あるいは1対Nで英語を聞いていますので、その意味では TOEIC Part 3 とPart 4 は大変役に立っているように思えます。
ただ、Part 3, Part 4に限らずですが、TOEICって試験問題や解答用紙への書き込み・メモ書きって禁止されているじゃないですか。
これはビジネスの現場ではありえないことです。
だって、日本語で打ち合わせする際にもメモを取りますよね?
その他にも、例えば外国人と英語で電話する時にも、一言一句を書き留めることはなくとも、会話のポイントはメモるじゃないですか。
普通のことですよ。普通のこと。
TOEIC Part 3, Part 4では問題を聞いて内容を理解し、その理解度を測るべく設問に答えるんですよね。
そこには間違いなく「ポイント」があるはずなので、メモ取る方が絶対意味があるんですよ。
なぜなら実際のビジネスの現場でもメモを取るんだから。
でも、TOEICではそれが禁じられている。
故に、無駄な「記憶力」や「先読みスキル」なんかが副次的に育ってしまっているのが現状です。
私は会議の内容をメモも取らずに聞いて暗記するなんてことは絶対にしませんので、Part 3 と Part 4 を勉強して培ったリスニングスキルが役に立っているような気がしません。
連続していないメールを見ながら解きつつ、改行もなく無機質に書かれたセンスのないメールを読むPart 7のDP
たまにありますけど、Part 7のDPで複数のメールが題材になっている時があるじゃないですか。
で、時間軸が結構離れている時があるんです。
最初のメールは7月に打ったもので、2つ目のメールが9月だとか。
こういう時が離れたメールを2つ眺めながら何かを考えることって・・・あります?
絶対無いです。
ビジネスの現場で一番あるのは連続したメールだと思います。
あるメールに対する誰かからの返信。
で、それに対する更なる返信。
そういった題材を作ればいいのに。
それとメールの中における改行センスがなさすぎる。
例えばコレ。
私の商社時代の上司だったら、「なんだ この見にくいメールは!!」って怒鳴られてます。
「相手が読みやすいように見た目にも気を使え!! ただでさえアメリカ人とかフランス人はちゃんと読んでいないんだから!!」ってね。
まぁ、英語の試験ですから読みやすくすると良くないのかもしれませんが。
ただ、実際のビジネスとは異なりますので、やっぱりPart 7のメール問題をいくら解いても役に立ちそうもありません。
見噛まずにクセもなく綺麗な発音でゆっくり流れるリスニング
こちらの記事にも簡単に書いたんですが、やっぱりリアルじゃないんですよ。
【関連記事】 おかしいぞ!?社員の英語力はTOEICで判断すべきでない7つの理由
仕方ないんですけどね。
語学の試験で変なアクセントとか間違った発音とかを流すわけにはいきませんから。
でもやっぱり、TOEICで流れるような綺麗な発音で仕事はできないです。
英語が母国語の国ではまだマシかもしれませんが、それ以外になると・・・ね。
正しいものがあるから、間違っていることに気付けるわけで。
それでも、ゆっくり綺麗な発音で噛まずに喋ってくれるTOEIC リスニングは実際のビジネスの現場では役に立たないと思います。
ということで、海外駐在してわかったTOEIC L&Rを勉強してもビジネスの現場では全く役に立たない要素4つをご紹介しました。
もちろん100%意味がなく、何にもならないというわけではないのですが、ビジネス英語の試験を謳っている割には、現実に即していない要素が多いのも確かだと思います。
今後のupdateに期待です。