リスニングが苦手な人は絶対にディクテーションから逃げている

リスニングが苦手な人は絶対にディクテーションから逃げている

海外駐在するようになってから、特に「リスニングスキルを上げよう」とは思っていませんでした。

理由は、既にそこそこのリスニングスキルはあるからです。

しかしながら、現在使っているこちらのTOEIC参考書。

 

「TOEIC L&R テスト 990点攻略」の感想・レビュー①

https://toeic-eigo-blog.com/archives/11469
 

感想・レビュー記事は2/3までしか執筆できていませんが、途中で触れたディクテーションについて改めて思うことがありました。

リスニングスキル・能力がないと思っているあなた、ディクテーションやってないんじゃないですか?

「ディクテーションの効果は神」と知りながら多くの日本人がディクテーションをしない理由

通常のTOEICリスニング教材を使って、「ディクテーションをする」のと「リスニング教材をただただ使う」場合で比較してみましょう。

一般的には解答方法・テクニックの伝授があり、数問のトレーニングを経て演習問題、こういった流れですよね。

 

演習問題にて答え合わせをする際に、あなたはどういう風に教材を使いますか。

恐らく多くの人が問題文に目を通しながら音声をもう一度聴くのではないでしょうか。

中には、問題文に目を通して、音声を聴く際には、問題文自体には目線を置いていない人もいると思いますが。

【関連記事】 TOEIC参考書に頼る人は英語力が伸びない
https://toeic-eigo-blog.com/archives/11140

 

聞き取れなかった箇所は解答・問題文を見て、「あー、xxxって言ってたのね」と納得し、その後改めて音声を聴いて「ふんふん、なるほど」という風に自分の中に落とし込んでいますかね。

で、この学習プロセスを何回か繰り返すと。 

 

一回当たり・・・どうでしょう。5分〜10分くらい?

オーソドックスなリスニング勉強法だと思います。全然問題ないです。

何よりこの勉強法は勉強している感をもたらしてくれます。 

 

「あ〜、今日はリスニング問題を20問解いた〜!」

自分は良くやったな〜ってね。

 

他方、ディクテーション。 

具体的な勉強方法はここでは割愛しますが、Part 1, Part 2であれば、全ての問題文をそのまま書き写す作業がマストです。

音声を一回流して全てを書き写すことができる人は稀だと思います。

 

 

私の場合で・・・どうでしょう。平均して5回〜10回くらいは聴いています。

故に、一回当たりに費やす時間は、短くとも10分から20分くらい。

この時点で、ディクテーションと「ただただ解く勉強法」には、学習時間において大きな差があることはお分かり頂けると思います。

 

次に比較する要素は頭を使うか否かについて。

リスニング教材をただただ使う場合には、基本的には受け身学習です。

問題文に目を通しながら音声を聴いていますので、その時点では頭をフル回転させて考えているという作業はありません (ぼーっと見ていながらでも出来るので必要ありません)。

 

方や、ディクテーションは常に頭をフル回転させているイメージ。

一つの単語、なんなら一つの前置詞を聴き取れたかどうかなども含めて、完璧に描き写さなくてはいけません。

 

 

両方を行ったことがある人ならばご理解頂けると思いますが、ディクテーションの方が遥かに疲れます。体力を消耗します。

解答にある問題文を何も考えずただただ読んでいるのとは訳が違うのです。

 

最後に一番異なるのは、心が折れるか否かです。

リスニング教材をただただ使う場合には、仮に間違えたとしても、

「あ〜間違えた〜。正答は・・・はいはい、そういうことね。よし、次は間違えないようにしよう」くらいでしょうか。

 

方やディクテーションは、”a”や”the”ですら聞き取れないことも多々あります。

 

 

視覚で理解する (= 読んで理解する)単語と聴覚で理解する (= 聴いて理解する)単語が異なることが大きな理由でしょうね。 

故に、いくら時間をかけても正答を導き出せるとは限りません。

 

何度も聴いて、聴いて、聴いて、それでも間違っていた (= 聴き取れていなかった)時、心は簡単にポキっと折れます (経験済みです)。

私を含め、多くの日本人がディクテーションに効果があると知っていながら、あまり行動に移さないのはこういったことが理由ではないでしょうか。

 

 

スピーキング (= 英会話)のトレーニングと近い感覚

このディクテーションですが、スピーキング (= 英会話)のトレーニングに近いと思います。

「英会話をできるようにしたい!」という想いを持つ人が多い割には、

 

「英語を使って人と話すのが恥ずかしい」

「英語を話して、単語や文法が間違っていたら恥ずかしい」

「英語で話す時は、完全にマスターしてから」

 

・・・とか、そんな理由で積極的に英語を発しようとしないじゃないですか。日本人は。

 

個人的には、「ミスして指摘されるのが恥ずかしいから喋れない」が最大の理由だと思っています。

 

「プププ・・・w 何あの人? 英語しゃべってる・・・w」

「ガガーン。もう嫌だ。英語喋るのやめよう」

 

こんな感じね。 

 

で、ディクテーションをしないのもこれに近いような気がしました。

理由は、繰り返しですが、心が折れるから。

ディクテーションをすると、自分が本当に英語を聴き取れていないんだなぁと認識せざるを得ないのですよ。

 

その認識を重ねると、

「はぁ・・・もう嫌だ。英語を聴けるようになるなんてやめよう」と諦めてしまう。

でも、実際問題、英語を発したり、英語を書き写したりするトレーニングを重ねる方がよっぽど英語が上達しますから。

 

ちなみに、2012年〜2013年頃の私ですが、ブログ読者様よりスピーキングの相談を受けた時は必ずこんなことを言っていました。 

 

「ぶつぶつ呟くのが効果があると思いますよ!」

 

でも、その後の反応は、

 

「・・・はぁ、そうですか・・・」

「いや、そういうことじゃなくて・・・」

「ありがとうございました」

 

・・・っていう。

 

いやね、全然冗談でも何でもなく、真剣にぶつぶつ英語を呟くことが効果があると信じているんですよ!(今でも)

 

 

 

実際には周りから白い目で見られることもあります!(だから私はマスクを積極的に着けていました)

特に国連経験の二次試験前はもう一日中ぶつぶつ・・・。

結果的に夏より冬の方がスピーキングスキルは高かったような。

 

 

英語を何年も勉強しても聞き取れない・喋れない日本人の理由はこれではないか

英語を母国語としていない国の英語教育を全て把握しているわけではありませんが、日本の英語教育で導入すべきは以下のような要素ではないでしょうか。

 

勉強すればするほど傷付く、ヘコむ、悲しむ勉強法。

実践すればするほど叩かれる、笑われる、イジられる勉強法。

 

・・・いやー、書いていて思いましたけど、絶対日本人は実践しない気がする。

私も海外で仕事しているからしれっと言えちゃいますけど、日本で働いていたら無理ゲーですもん・・・。

 

かくいう私もHummerさんの「TOEIC L&R テスト 990点攻略」に手をつけるまでしばらくディクテーションはしていませんでした。

この本を読んで、「うーむ、やはりそうだな。990点を目指すということになるとディクテーションだな」と再認識した次第です。

 

 

・・・ただ矛盾するのですが、(冒頭でも言いましたが) 私は現状以上のリスニングスキルを向上させようと考えていません。

理由は簡単。ほぼほぼの英語を聴き取れているから。

もちろん、聴き取れない時もあります。

 

でも大丈夫。

前後の文脈からなんとなく想像できる力はあるし、「何と言いましたか?」と普通に聞く度胸もあるので。

 

改めてリスニングスキルを向上させる必要があるとすれば、それは働く環境が変わった時でしょう。

イギリスで働けばイギリス英語を聞き取るようにするし、インドで働けばインド英語を聞き取れるよう努力します。

 

しかし、それも一ヶ月くらいで8割マスターできると思います。

毎日仕事で使っていれば自ずと慣れます。経験上知っています。

 

ただ、日本にいながら英語力 (話・書・聞・読)を上げたいならば話は別です。

日本人に不向きとされるディクテーションと向き合って、地道にリスニング力を培ってみるのが良いかもしれません。