2017年 インドネシア駐在員の年収

2017年 インドネシア駐在員の年収

以前に、社会人になってからの年収推移を振り返ったことがありますが、2016年4月に海外赴任しましたので、海外で1年間働いたのは2017年が初めてとなります。

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会社からは「あなたの年俸はxxxです」と年初に連絡は受けているのですが、額面・手取り・保険料・税金などを把握すべく精査してみました。

結論から書くと、2017年の年収(額面)は1,289万円でした。

収入を世間に公開する理由

へらじかさんの記事によると、駐在員とお金に関する情報が取れなくて苦労したからとあります。 

他方、私の場合は、駐在員の給与に関する情報量が少なかったからとかそういうことではありません。

事前に給与に関する情報収集はしていましたし、結果的に自分が予想していた以上に、「収入 > 支出」であると認識していました。

 

本記事を書く主な理由は、やはり「自分自身の給与をしっかりと把握すること」です。これ以外にありません。

会社員をしているとどうしても給与・税金・保険などは会社に任せきりとなってしまいますが、個人事業主であれば自分で対応しなくてはならないことですよね。

会社員であることのメリットの一つであるということは重々理解していますが、自分の給与に関すること、ひいては収入・支出に関することは最低限把握していたいと思っています。

 

ましてや私は離職期間を経て、2度転職をしている珍しいヤツです。

転職活動をする中でお金の大事さには十分すぎるほど気付かされました。

順調にキャリアを積み上げ、普段のほほんと過ごしている人とは異なる境遇にあるのです。

 

加えて、読者様への情報シェアの観点からすると以下の2点が挙げられます。

あんまり大きなことを言える立場ではありませんが本音です。

1.  全ての社会人に対し、海外駐在員として世界に羽ばたいて貰いたく、夢を知ってほしい

2. 「TOEIC L&R 900取得 → 海外駐在員」というプロセスがあるということを認識してほしい

 

駐在先にもよりますが、海外駐在すると日本に比べて圧倒的に給与がアップします。 

ある程度は年齢・年代にもよるところはあるかもしれませんが、正直、フリーランスや現地採用とはレベルが違います。 

国間で差はあれど日本で働くより、そして日本で支出するよりは収入も増えるでしょうし、支出も減ると思います。 

 

最近で言うとeSportsがそうですが、その業界・ジャンルで極めた場合に高額収入を得ることができることを、その業界に対して「夢がある (仕事)」なんて言いますが、正にそんな世界だと思います。 

 

そして、そのキャリアを、私はTOEIC L&R 900点を取得したことで達成しました。

2017年時点で、既にTOEIC L&R 900点越えの日本人は数多くおり、もはやTOEICのスコアに価値はなくなってしまいました。

2018年以降は「それをどう仕事に活かすか」が問われます。

 

この記事を読むことで「TOEIC L&Rの後に海外駐在員あり」と再認識してもらえればこれより幸いなことはありません。

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2017年 年収まとめ

年の瀬が迫った12/27・12/28は、当初の予定ではannual leaveを取得する予定でした。

しかしながら、その少し前に怒涛の11連休を事故的に取得してしまいましたので、多少の背徳感を抱きながら出社することに。

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と言いつつも年末年始でしたので、日本はもちろんのこと、比較的各国も動いていなかったようで。

その際に2017年の給与明細、及び賞与明細をまとめてプリントアウトしてきました。

改めて一枚ずつ計算してみた結果は以下のとおりです (JP¥@112.21/US$)。

 

【額面】 

円貨給料 9,035,284円
外貨給料 US$18,454 (= 2,070,907円) + 1,783,626円 = 3,854,533円
総計  12,889,817円

 

【手取り】

円貨給料 7,663,642円
外貨給料 US$18,454 (= 2,070,907円) + 1,783,626円 = 3,854,533円
総計 11,518,175円

 

ただ、これらの数字には多くの注釈がつきます。 

一つずつ精査していきます。 

 

 

2017年 年収の前提情報

まず、私についての基本情報を。

業界は製造業で、30代前半の営業職です。

部下はローカルが9人で直で管理しているのは4名。

 

役職はGeneral Managerです。

会社として残業代を支払わないようにと無理やりManagerにさせられてます。

日本にいた頃は一担当でしたし、帰国しても変わらないと思います。

 

ただ、当社には役職とは別にPosition Levelという概念がありまして、それは既に営業担当としての最高レベルに達しています。

何を言いたいかというと、次に昇格するならばManagementのPosition Levelにならざるを得ないということです。

 

少し前まではmanagementに対してはnegativeな印象を持っていましたが、最近では前向きに考えれるようになりました。

【関連記事】 海外駐在中の目標は「英語でのManagement Skillを身に付ける」ことに決定

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そして、肝要なのはインドネシアに住んでいるということです。

インドネシアはdeveloping countryです。

先進国と異なり、物価はかなり安いです (毎年上がってきてはいますが)。

 

となると、(日本で暮らすより)ある程度支出を抑えることができます。

また、詳細は”福利厚生”にて後述しますが、治安が悪いとされているため、社用車は用意されますし、住んでいるアパートもセキュリティのしっかりした、いわゆる超高級アパートに住むよう強いられています。

こんなところを踏まえて読み進めて頂ければと思います。

 

 

2017年 年収の精査に当たっての考慮事項

さて、冒頭で『会社からは「あなたの年俸はxxxです」と連絡を受けている』と触れました。

とすると、その通知書を読んでそのまま自分の年収情報と理解すれば良いのではと思ったのですが、よくよく考えると以下の要素を考慮しなくてはならないことに今さら気が付いたのです。

 

1. 5月にPosition Levelがアップ。

2. 2017年1〜6月は外貨支給を希望し、7〜12月は円貨支給を希望した。

3. 2017年6月以降、住民税(江東区)を支払う必要がなくなった。

4. 2018年4月以降の年収調整(私は純減)に向けて、救済措置として日本円が支払われる。

 

#1.  5月にPosition Leveがアップ。

非常に中途半端な時期だったのですが、2017年5月にPosition Levelがアップしたことにより、給与が若干上がっています。

従いまして、年初に通知された年収情報はその時点でアップデートされてしまい古くなってしまったのです。

 

#2.  2017年1〜6月は外貨支給を希望し、7〜12月は円貨支給を希望した

基本的に給与通貨は、現地通貨 + 日本円で支給されるのですが、ことインドネシアに限りますと法定通貨であるインドネシアルピアが大変不安定ということで、US$+JP¥での支給が基本となっています。

しかしながら希望する人に対しては、すべてJP¥で支給することも可能となっています。

その場合、支給されるUS$を会社指定の為替レートで円転した額が日本円の口座に支払われます。

 

このシステムですが、半期ごとに申請することになっていまして、私は前半を外貨(US$)、後半を円貨にしました。

わざわざ分けた理由は、初年度(2016年4月〜2017年3月)に全て外貨(US$)支給と登録していましたので、別パターンも経験しようと思っただけです。

 

#3.  2017年6月以降、住民税(江東区)を支払わなくてよくなった

住民税は1年前に住民票を置いていたエリアに対して支払う必要がありますので、2017年4月にインドネシアに赴任した私の場合、2017年6月からいよいよ支払い不要となりました。

逆にいうと、2017年も1月から5月までの5ヶ月分は支払っていたということになります。

 

#4.  2018年4月以降の年収調整(私は純減)に向けて、救済措置として日本円が支払われる

2017年に、16年ぶりに消費者物価指数の見直しが全社的に行われました。

これはインドネシアのみならず、全世界の支店が対象です。

結果、インドネシアでのインデックスは2001年当時のそれより大幅に下がり(128% → 100%)、私の給与は大幅に下がることになってしまったのです。

 

新年収は2017年より適用、と会社はしたかったようですが、それではあまりにも生活にインパクトがあるだろうとのことで、実施は2018年4月からとなりました(私の場合)。

それまでの1年間は、「純減しない」のではなく、「純減した(新年収を適用させた)上で、純減した社員には前年度と同様の給与レベルになるよう調整額を支払う」という形で落ち着いたわけです。

 

 

税金と保険料

税金と保険料については恥ずかしながら全くノーマークでして、今回の精査で改めて認識しました。

合計で137万円ほど払っていまして、以下のとおりでした。

健康保険料 311,746円/年
厚生年金保険料 819,960円/年
雇用保険料 28,336円/年
地方税 209,000円/年
組合費 3,600円/年

 

本当に恥ずかしいですが、厚生年金保険料が途中から上がっていることに気付いていなかったり、雇用保険料も一定ではないということも初めて知りました。

住民税は今思うと本当に高かったです、41,800円/月でした。

年間で普通に支払ったら501,600円ということになります。

 

 

2017年 年収における給与内訳

さて、2017年の額面年収12,889,817円ですが、以下のような内訳となります。

この辺は会社によって違うでしょうから、一つの例としてご覧頂ければと思います。

・ 職能給

・ 生計費調整額

・ 海外勤務手当

・ 時間外管理手当

・ 地域手当

・ 社宅使用料

あと強いて言うならば出張手当なのですが、そこまで大きくないので割愛します。

ちなみにインドネシアは世界最悪レベルの治安とされており、海外勤務手当だけで250万円/年が支給されています。

一方で、アメリカや香港、シンガポールなどではこの勤務手当は0円です。

 

 

また、時間管理外手当は84万円/年となっています。

これは恐らく外資系に限らず日系企業もそうだと思いますが、駐在員に「残業」とか「残業代」とかっていう概念自体がありません。

 

「朝でも夜でも働け」が基本です。

逆に言えば、朝決められた時間に来る必要もないし、終業時間を待たずして帰ってもいいということになります。

(部下がいる手前、もちろんそんなことはしませんが)

 

さらに私はセールス担当ですので、極端な話、「どんなにサボったり遊んでいたりしても、結果を出せばOK」ということになります。

逆に、毎日必死こいて何時間も仕事をしているにもかかわらず結果を出せないようですと評価は自ずと低くなってしまう世界です。

 

そして、上記内訳の一番最後に「社宅使用料」とありますが、実際にはアパート代は会社に払ってもらっていますので、この辺から福利厚生との絡みが発生し、解釈の仕方によって見方が変わってくることに気付きました。

うちの場合、アパート代は約US$4,000/月くらいですので、年間で540万円くらいでしょうか。

これを上記の「社宅使用料」から支払っていれば収まりがいいのですが、そうではないのが実態です。

 

 

2017年 年収における福利厚生

福利厚生ですが、今確認できるだけ以下のことが挙げられます。

#9 メンタルヘルスサポートについては一度も使ったことがありませんが、2017年でいいますと合計で800万円くらい福利厚生で賄っていることが分かりました。

1. 語学研修費負担

2. 住宅費負担

3. 電気代、水道代全額負担 (キッチンはIHなのでガス代はなし)

4. 日本帰国時の往復チケット x 2回まで

5. 日本食送付サービスの送料負担

6. 社用車貸与

7. 海外旅行保険付保

8. セキュリティサポートサービス (International SOS社)

9. メンタルヘルスサポート

10. 健康診断、予防接種

11. スマートフォン支給 (必須iPhone)

12. 子女の教育費負担 (入学金、授業料、通学費、学校維持費)

13. 日本でのトランクルーム保管費用負担

 

他にも引越し費用や赴任時のビジネスクラスチケット、荷物輸送用の船便などを既に使いましたが割愛しています。

従いまして、先述の年収1,200万円に加えると、2017年で約2,000万円の利を得ている計算となります。

 

さらに言ってしまうと、私はセールスの人間でして、交際費を20万円/月くらいは使っています。

私は、Dinner代、Entertainment代で享受した利は「あくまでも仕事である」と割り切っていますが、実際には年間240万円くらいのタダ飯・タダ酒を得ている計算になります。

 

まだ2017年12月分の収支を締めていませんが、2017年単年では550万円くらいの現金(JP¥とUS$)が残りそうです。

 

 

海外駐在員の生計費に関する考え方

当社のみならず、マーサー社の提供しているインデックスを使用している企業は多いと聞きます。

同社の提供するデータは独自の調査に基づくもので、同時期に日本と各赴任地の2地点間における200品目、800価格を対象に価格調査を実施しており、その結果をもとに領地の物価差を数値化しています。

その際には以下の条件が加味されているようです。

• 少々値段が高くても現地のマーケットではなく、衛生的・近代的なマーケットで購入する。

• 現地で手に入らないものは日本から取り寄せる。

• 日本人の生活パターンに合わせた品目を選定する。

• 同一品目について複数店舗で調査を実施する。

こんな調査により物価差が算出され、為替変動の要素を加えて最終的なインデックスが生成されます。

前述のとおり、インドネシアではそれまでの128%が今回の見直しで100%となってしまいました。非常に残念です。

 

ただ、実際にはまだまだ日本やアメリカ、香港、シンガポールとの物価差は大いにあると思います。

従いまして、100%となったとしても支出(例えば外食代)はそこまで多くないと予測できます。

これが仮にシンガポールでしたら大変なことになるでしょう。

 

以前、シンガポールから出張に来た日本人に、「ジャカルタに来たら日本食を食べるのが楽しみなんですよ」と言われたことがあります。

私は、「なぜですか? シンガポールの方が圧倒的に料理も素材も高品質なのに?」と尋ねたところ、

「値段が高いんです。店にもよりますけど、いわゆる居酒屋に入ったら一人で1万円以上はしますよ。たまにはいいですけど」とのことでした。

 

また、昨年、私は週末を利用してシンガポールの明治屋で爆買をしたという記事を書きました。

【関連記事】 週末を利用してシンガポールに買い物に行ってみた

https://toeic-eigo-blog.com/archives/10296

あとあと知ったのですが、シンガポールの駐妻からすると、明治屋に通う駐妻はほとんどいないとのことでした。

明治屋で買い物してたら直ぐに破産するからだそうです。

 

シンガポール駐在になると、地域手当 (危険度に応じて変動)は下がりますが、生計費調整額が上がりますので気軽に明治屋で買い物できると思っていましたが、実際には異なるようですね。

この辺は本当に悩みどころですが、生計費益を出したいならば、基本的には日本円より弱い通貨の国に駐在する必要があると思います。

 

 

2017年 年収のレビュー

ここまで精査してみて、2017年の年収は万々歳と言いたいところですが、先述のとおり2018年4月からは給与が減ることが確定してます。

どれくらい減るのかを計算してみたところ、約160万円でした。

月額でいうと、13万円くらいが純減することになります。

 

もちろん生活ができなくなるということはありませんが、それでも年間160万円が減るというのは非常に大きいです。

しかし、その理由が消費者物価指数の見直しであり、そもそもこれまでが貰い過ぎだと言われるとぐうの音も出ません。

ただ、会社員としてこのまま黙っているわけにはいきません。

 

年明け早々に、会社に対しては給与アップを要求しようと考えています。

ターゲットは3,000万円/年です。

現状1,200万円の社員からすると土台無理な話ですが、要求できるだけの状況は、この1年9ヶ月で作り出しました。

 

私は、2017年の販売実績として、「販売量:180%アップ」「純利益:+ US$400,000」を達成しています(前任者の2015年実績比)。

2016年については、1〜3月が前任者、4〜12月が私が担当していましたが、「販売量:150%アップ」「純利益:+ US$200,000」の実績です。

詳細を話せないのでシンプルに言いますと、前例のない成績を上げたということです。

 

もちろん、セールスだけではなくアドミ部門や部下、distributorの協力によって成し得た数字ですが、セールスには良くも悪くも数字がつきまして、これらは私の数字になります。

恐らく、今後の会社員人生を考えても、今以上に会社に対して年収アップを要望できるタイミングはないでしょう。

ダメ元ではありますが、何より発信すること、意思を全面的に出すことが大事だと考えているのです。

 

ただ、現実的にお金を増やす方法としましては、今手元にある現金に頑張ってもらうしかありません。

ですが、あいにく海外に居住していますので日本の金融商品を購入し運用することはできないのです。

となると、インドネシアルピア、またはUS$を使ってインドネシアで運用するしか道はなさそうです。

 

160万円満額とは言わなくとも、何とか運用益として100万円を稼ぎ、少しでも減る分を取り戻したいと思っています。

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