新たな会社に転職をしましたので 自己紹介をする場面が多々あります。
その中で「アメリカへの留学経験」について触れると、予想以上のリアクションがあることがしばしば。
日本では 留学に対するブランドと言いますか、印象が相当高いようなのですが、実際のところ 留学は仕事に役立っているのでしょうか。
そして役立っているとすれば どんなことが役立つのでしょうか?
留学が仕事に役立っている点⑴ 度胸
留学をしたことで最も仕事に役立っていると感じていることは度胸です。
「何でも理解できるリスニングスキル」とか「ペラペラ喋れる英会話スキル」とかを期待している人もいるかもしれませんけども、私の場合 ほとんど役に立っていると感じていません。
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アメリカへ留学したことで、多くの国籍、立場 (= 学生・先生・地域の人など)、 性別 (= 男性・女性・中間)の人とコミュニケーションを取る機会がありました。
日本にいれば、あうんの呼吸で理解できるようなことも分からず、常に物事を確認しながら過ごす毎日だったことをよく覚えています。
それまでの私と言えば、一見 行動力はありそうですが、実際には過度の引っ込み思案で人と話すことは決して得意ではありませんでした。ましてや英語で。
それはそれは物怖じしていましたよ。
しかしながら、周りには家族もいません。
留学したての頃に限って言えば、日本人すらいません (皆夏休み中でした)。
そんな事情も重なり、どうしても自分自身で動かざるを得なかったのです。
そんな中 積み重ねた「自分から動きだす経験」は、会社員として仕事をし続けている今でも大いに役立っていると感じるのです。
元から度胸がある人であれば、大した要素ではないのでしょうけど、私のようなチンケな存在にとっては 人が変わったと思われるほどのことなんです。
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留学が仕事に役立っている点⑵ 多様性の受入
留学時代の経験として仕事に活かせていると感じる二つ目の点は、多様性の受け入れができていることです。
私が留学していた大学には、日本人の他に韓国人、イギリス人、ギリシャ人、フランス人、カナダ人、ネパール人、フィンランド人などが時を同じくして勉強していました (他にも多くの国から留学していたと思いますが)。
当然、日本人である私と彼ら彼女らとの文化、宗教、言葉は異なり、そういった多様性を理解しなければ コミュニケーションなど取れない世界でした。
正直、私は引きこもり傾向にあった為、他の日本人と比べたら そこまで密に外国人とやり取りをできたとは感じていません。
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ですが、それでも「世界には色々なバックグラウンドを持っている人がいて、彼ら彼女らなりに精一杯生きているんだ」といった多様性を受け入れる習慣が無意識下で築き上げられたのです。
で、この経験が会社員として仕事をする上で非常に役立っていると感じました。
それはつまり、「理不尽な取引先」であったり、「クソみたいな上司」「仕事を全くしない同僚」「いっつも上げ足ばかり取るような先輩」そういった人たちに当てはめることができます。
学生時代の私であれば、「ちゃんとしろよ!」と大声を張って罵倒していたかもしれませんが、なぜか「ま、そういう人もいるからね。あの人はああいう人なんだ」と無駄にエネルギーを消費せずに仕事に集中することができているのです。
言い方を変えれば、これまでのように人に興味を持たなくなったとも言えるのですが、実際問題、自分の考え方を一方的に押し付けることも悪だと思っていますので。
社会なんてのはしょせん多様性の塊。
最終的にはどこかでそれらを受け入れることが求められていると感じます。
<参考記事> 欧米・アジアの人達とサラリーマンとして仕事を9年間してきた後に思う「グローバル 英語・人材」という言葉への違和感
留学が仕事に役立っている点⑶ メリハリ
3つ目はメリハリです。 英会話スキルなんてのはまだ登場しませんよ。ホッホッホ。
以前にもご紹介しましたが、アメリカ人および留学生のメリハリの凄さには驚かされました。
平日は真面目に勉強している、一見大人しそうなアメリカ人の女の子が、フライデーナイトになると首をブンブン振りながらパーティーで踊っているのですから。
それまでの私と言えば、勉強も遊びも中途半端なダメダメ大学生。
意識高い系を目指していたわけではありませんでしたが、そんな自分にどこかで違和感を感じていました。
しかし、留学中に見てきた学生たちのメリハリを意識してからは、どっちも全力で取り組むようしたものです。
そしてこのメリハリは仕事をしている今現在でも 意識の中にしっかりと植えつけられています。
仕事中は全力で仕事。休憩中にはしっかりと休憩。
昼休みもしっかり休む(昼休みは主にTOEICを勉強していますが)。
仕事が終わり次第、遊び、リラックスする。
1週間単位で仕事と休みを分けると非常に苦しい為 (= 平日は仕事。休日は遊び)、あくまでも1日単位で仕事と遊びを区切っています。
ちなみに、意識的に真剣に仕事をするってのは、日本人は大変簡単にできるのですが、意識的に真剣に遊ぶってのは、日本人が苦手としていると思いません?
自分にとって、仕事のことも忘れて没頭できる遊びとは何か?を見極めることも非常に大事ですね。
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留学が仕事に役立っている点⑷ ブラインドタッチ
ようやくマインド的なものではなく、スキル・技術的なものがでてきました。
留学時代に身につけた英語でのブラインドタッチは思いっきり仕事で役立っています。
私は、初めてPCに手をつけたのは高校3年生くらいで、自分のPCを買ってもらったのが大学2年生の時です。遅咲きです。
故に、日本語はもちろん、英語でのブラインドタッチなんて全くできなかったのですよ。
にもかかわらず、留学中にあっという間にブラインドタッチを身につけることができました。
理由ですか?
アホみたいに出される宿題 (= レポート作成)があったからです。
留学したての頃は、レポートを打つのに非常に時間がかかっていました。
当然ですね。英語でのブラインドタッチを日本にいた頃はしていなかったのですから。
ですが、「宿題を早く終えたい!」「なるべく宿題に時間を使いたくない!」といった気持ちも手伝って、日々作成する宿題が一つできるたびに英語でのブラインドタッチができるようになってきたのです。
これはそっくりそのまま、仕事で英文メールを打つ際に役立っています。
40歳くらいのおじさまが人差し指だけでメールを作っていたり、人差し指と中指を交互に使ってメールを作っているのを目の当たりにすると、きちんとブラインドタッチができるようになっていてよかったなぁ〜と感じます。
<参考記事> 【英文メール】”please find attached a ~” は文法的に正しいのか
留学が仕事に役立っている点⑸ 多少の語学力
最後にようやく語学力です。
ただ、私が留学中に履修していた科目って、経済学、金融学、心理学、社会学、統計学とかだったんですよ。
つまり、これまでの私の職歴においては そこまで直結していないんです。というかほとんど。
ですので、留学中に学んだことというよりは、留学中に行った英語での雑談とかですかね。
例えば、「各言語での乾杯の言い方」とか「その国で今流行っていること」とか、そういったことを絶妙なタイミングで聞いたりして、外国人とどのようにコミュニケーションを取り始めるか。
こういったことは役に立っていると感じます。
いやまぁ、「フランス語で乾杯を何て言うか」ってのは、辞書サイトとかいけばすぐに分かるんですよ?
分かるんですけど、それを聞くこと自体が目的ではないんです。
そういった他愛もないことをコミュニケーションの切り口として扱い、その後の話に展開していくことが目的なんです。
そういった空気感や相づちの打ち方、間合いなんかは当然ですが 教科書には書いてありません。
ってか、書いてあったとしても よくわからないでしょ。
自分自身で経験して、理解していくしかないのです。
この意味で、留学の経験は仕事上役立っていると思います。
一旦 話が進めば話は勝手に盛り上がりますからね。first approach が非常に大事です。
<参考記事> 英語で外国人の接待 【丸の内ホテル / フレンチレストラン pomme d’adam ポムダタン】
結論:学生時代の留学は仕事に役立っている
はい、ということで 結論はやっぱり「役立っている」でした。
以前にこんな記事を書きまして、そもそも留学にそこまで期待しないで頂きたいというスタンスをとりながらも、やっぱり相応の価値はあるということです。
但し、今回の内容はあくまでも学生時代に行った留学、つまり社会人になる前の留学に関してです。
社会人として働いている最中にフィリピンへ短期留学をしたとかそういったことではありませんので悪しからず。