TOEIC L&R Part 2 は 「スコアを稼ぎ易いパート」なんて言いますが、それは英語上級者の戯言。
実際には努力してもなかなかスコアが上がらない人が大勢います。
対策・コツ・裏技として、「5W1H を聞き取れればOK!」とか「否定の付加疑問文に注意!」などがありますが、そういった 上級者同士が群がった上で語られる「難易度が高い」ではなく、純粋に 会話として難易度の高い受け答え を幾つかまとめてみました。
目的は TOEIC L&R 300 ~ 600点くらいの人に、その傾向を掴んで頂くことです。
単熟語が難しいパターン
「難易度が高い」と言いましても色んな意味があると思います。
最も汎用的な意味としては、単純に英単語の意味が分からないパターンが挙げられるかと。
単語はもちろん、熟語、そして文法もこれに含まれると思います。例えば以下の様な受け答え。
Q. I’m having trouble with this new copy machine.
「この新しいコピー機に苦労しています。」
A. So am I. Ask Amelia about it.
「わたしもです。Amelia に尋ねてください」
“So am I” という表現自体は 英文法を学習する時に必ず通る道だと思うので、こうやって活字にすると決して難しいとは思いません。
ですが、ビジネス英会話の中で “So am I” と受け答えする習慣が日本人にあるかと聞かれたら、あまり無いような気がします (私は結構使っていますけど)。
と言うことで「単熟語が難しいパターン」ってこんな感じです。「会話の中で使うには難しい」といったところ。
では次の例を見てみましょう。
Q. I need to reach Steven by Phone.
「Stevenに電話で連絡を取らないといけない」
A. You’d have a better chance with e-mail.
「Eメールの方がいいですよ」
“have a better chance” は 実は難しい熟語でも何でもなく、ただ単に「よりよい機会がある」って意味です。
が、こういったビジネス会話の中で使う発想はなかなか生まれないと思います。
こんな感じで一見簡単な単語が羅列されているだけの会話なのですが、それが難しい単語化してしまう問題が多いんですよね。
では次の例文を。
Q. I think it’s time we updated the client database.
「そろそろ顧客情報を更新しなくてはいけないと思います」
A. I saw to it, just last week.
「それについては、ちょうど先週対応しました」
“see to it” 「取り計らう・面倒をみる」という意味です。
理解出来ていなければ不正解の選択肢として見過ごしてしまいそうです。
こうなると消去法で正答を導くしかないですね。そして最後の例文です。
Q. Could you give me a preview of the presentation?
「事前にプレゼンをして見せてくれませんか?」
A. Why don’t you ask Jeremy?
「Jeremy に頼んでは如何ですか?」
“Why don’t you ~” は比較的簡単な言い回しですが、これもやはり慣れていない人にはイレギュラーな受け答えです。
うーん、自然に頭で理解する為には 先ず日本語での理解をしないといけませんね。
遠回しの受け答えをするパターン
さて、次の難しいパート 2 の出題パターンですが、「遠回しの受け答え」をする場合です。
日本語でもありますよね。
真っ正面から答えるのでなく、ちょっとイレギュラーな表現をしたり、 Yes / No を表明せずに暗に示す言い回しなどが。
あれです。見ていきましょう。
Q. What about extending the promotional campaign?
「販促キャンペーンを続けてはどうでしょうか」
A. I will ask the manager.
「部長に聞いてみます」
“Yes / No” では決して答えないパターン。
ましてや、”Well…” とか、”OK” とかも直前に入ってもいいような気がしますが、それらを全て省略してしまっています。
日本語でこう書くと理路整然としていますが、日本人の耳として聴くとなかなか難しいです。
Q. How does Cate spell her name?
「ケートの名前はどのようにつづるのですか」
A. With a C.
「Cで始めます」
“How ?” でスペルを聞いているのですから、”C-A-T-E” って言ってくれりゃいいものを、頭文字だけしか言及しないという・・・。
たかが四文字なんですから全部言えばいいのにね・・・。
Q. What about asking your parents to join us?
「あたなの両親を誘って、私たちと一緒に過ごしませんか?」
A. They are busy this weekend.
「彼らは今週末忙しいのです」
“No, thank you. I am sorry but … ” って直前にあればすんなり頭に入ってきますけどね。
それらを端折って 理由の説明です。
こんなぶっきらぼうな会話、Biz 英語としてはお薦め出来ないような気がしますが・・・。
Q. Is this the number to call about changing university courses?
「大学のコース変更については、こちらの番号ですか?」
A. I’m afraid it’s too late.
「あいにく締めきりました」
これは比較的日本語でもありそうな会話ですかね。
“Is this ~ ?” ですから、”Yes / No” で受け答えすることは出来ると思いますけど、そもそも変更自体出来なくなったことを伝えると言う。
あ~、会話って奥が深いですね~。
Yes/No で答えて、その後にプラスアルファを付け足すパターン
2つ目のとは真逆で、Yes / No をサラッと答えて、その上で何かを付け足す受け答えも難易度が高いです。
何故なら Yes / No を表明した上で自分の意見や要求を相手に伝えているので、最後が疑問文で終わることもあるからです。では例文を見ていきましょう。
Q. Didn’t Araceli say she was from Peru?
「アラセリは、ペルー出身だと言っていませんでしたか。」
A. Yes, and she’s going back there next month.
「はい、彼女は来月帰国します。」
“Yes, she said …” ではなく、その後に “and” で繋がれて、しかも「来月帰国する」って!話が劇的過ぎる気がします(笑)
よくよく考えると 「帰国するかどうか」って、「出身地がどこか?」 と直接関係無いんですよね。
こういう余計なことを足されると聞く方は混乱してしまいます。
Q. Mr. Konno was promoted to branch manager.
「Konno さんが支店長に昇進しましたね」
A. Yes. I’m sure he deserves it.
「はい。間違いなく彼は適任だと思います」
ま、これは比較的関連のあることに触れていますね。
と言うかこれは 5W で聞かれるパターンではなく、コメントを発信しているパターンですので、”Yes / No” で受け答えしている時点でちょっと混乱してしまいます。要注意。
さてさて、パート 2 の難しい受け答えをまとめてみました。
改めて感じるのは、こうやって出題傾向を事前に把握することも対策にはなりますが、それよりも (英語での解釈をする前に) 日本語で数多くの受け答えパターンを持っておくことがよりよい対策になるような気がします。