私も中学校の英語の授業の際に行っていましたが、英単語を暗記する時にノートに書きながら憶える人っていますよね。
当時はかなり効果的な暗記法だと感じていましたが、社会人になってみると 「ちょっと違う」気がしてきました。
おすすめしない理由① 記憶が一時的だから
私の経験上、書いて覚える単語の記憶力って、物凄く短命です。
もちろん、英単語に限らず物事何でもそうかと思いますけど。
一方、学校の英語の試験開始の30分前に取り敢えず、”anticipate, anticipate, anticipate ….. ” のように書き殴ると、その後のテストでは、”anticipate”ってきちんと書けちゃいます。
ついさっきの記憶だから、体が・脳が・指先が確りと記憶しているんです。
で、この記憶はテスト後に、風のように去っていきます・・・(悲)
もちろん、書くことで長期的な記憶を定着することが出来るって言う人もいらっしゃるとは思います。
しかし、個人的な経験では、「記憶は複数回、一定時間を置いた上で繰り返されることで初めて定着する」と考えています。
従いまして、「書く作業」を何回かに渡って行えば、相応の記憶は保持することが出来るような気がします。ただ、これはこれで時間の無駄ですけどね。
おすすめしない理由② そもそもスペルは暗記しなくていいから
もう一つの理由は、英語のスペルを完璧に書けるようになる必要性が無いからです。
これは、いわゆる「TOEIC L&R テストは、スペルを求められる内容でないから」という考え方に限った話ではありません。
一般的に考えても、英語のスペルを正しく書くスキルをそこまで極める必要は無いと思っています。
理由は、携帯電話・SNS・メールソフト・ワード・エクセル・パワーポイントなどが文字を打つ手段として普及し始め、そもそも文字を書く場面が少なくなってきたからです。
音声認識の技術も高まってきましたので、ミスの無いスペルを書けることの価値はますます下がっています。
こんなことを言ってしまいますと、
「メールなどいかん! 手紙を使え! 直筆でいけ!」
「メールの時代だから、正しくスペルを書けることに意味がある!」
「履歴書には手書きだろ!」
という counteroffer を受けそうですが、・・・でもねぇ。
・・・そういう時代ですからね。
古き良き時代を回顧しても構いませんが、敢えて逆流する意味もそれほど無いと思います。
今のメールソフトは優秀で、単語のスペルが間違っていたら自動的に修正してくれますからね。
スペルまで含めて暗記しなくていいと思います。
となると、一文字ずつ書いて暗記しようとする必要もないのかと。
おすすめしない理由③ 非効率的だから
最後の理由は単純に書いて暗記しようとすること自体、生産性が低く、非効率だと考えるからです。
一つの単語を書いて暗記しようとすると、最低でも (その単語を書くのに) 3秒~5秒くらい必要ですよね。
で、恐らく書いて暗記しようとしている人って、それを複数回繰り返すわけじゃないですか (1回だけ書いて暗記出来ると言うスーパーマンもいるかも知れませんが)。
となると、3秒~5秒 x 10回 = 30秒 ~ 50秒 は、最低限必要となってくる訳で、言い換えると、単語一つを暗記するのに約1分間が必要になるんです (!!!)
私は単語カードを作成し、英検1級単語を暗記しましたが、一つの単語に要する時間は3秒でした。
3秒以内に頭に和訳・英訳が浮かぶかを試しているだけ。
1分間に20単語の思いだし作業を行うことが出来ます。
もちろん、一つの単語に1分間を費やす作業よりは、記憶の定着化は難しいと思います。
ですが、私はこの作業を翌日、翌々日、果ては一週間後にも繰り返しますからね。
「一気に覚えてしまおう!」という考えは一切排除して、複数回 脳みそを使って思いだそうとすることで、記憶に定着させようっていう考えにしています。
これは単語のみならず、仕事の時でも同じです。
何かを記憶しようと思ったら、一回忘れてもう一度思い出す作業をするに限ります。
ということで、英単語を書いて暗記するのはおすすめ出来ないのが正直なところです。
上述の3つには敢えて書かなかったのですが、書いて単語を暗記しようとすると「妙な勉強している感を味わえてしまう」こともおすすめ出来ない理由の一つですかね。
やっぱね、手を動かして何かを終えると、達成感みたいのがあるんですよ。で、それをもって「勉強した!」と曲解してしまうんです。
・・・何を隠そう以前の私がそうでした(笑)
でも、「勉強した感」だけでは単語は暗記出来ませんのでね・・・。
英単語は電子辞書を常に横に忍ばせながら学習するのが一番だと思います。