ビジネスの場でもTOEIC(R)でも頻出の単語”commence”

ビジネスの場でもTOEIC(R)でも頻出の単語”commence”

ビジネスでもTOEIC L&Rでも使えそうな単熟語を一つに絞ってじっくりと理解を深耕させます。

単語帳では「広く浅く」がセオリーだと思いますが、本記事を使って「狭く深く」学んでみましょう。

今回は“commence”です。

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“commence”の意味・類義語・例文

最初にリーダーズ英和辞典に記載されている意味を確認しましょう。

“commence”という単語に全くピンときていない人もいると思いますのでおさらいです。

 

commence [kəméns]

【自動詞】始める、開始する

【他動詞】(から)始まる、始める [with]、(弁護士などを)開業する、(学位など)を受ける

「開業する」は「開始する」の意味で理解しても問題ないと思いますが、「(学位など)を受ける」は難しいですね。

ちなみにアメリカの卒業式は“commencement exercises”と言います。

卒業は人生のスタートだという発想から使われています。

 

類義語は、想像がつくと思いますが、“start”“begin”で、反意語は“cease”“stop”です。

英英辞典でも、“to begin to happen”“to start something”と記載があります。

そして例文は以下のとおり。

  1. Work will commence on the new building immediately.
  2. Your first evaluation will be six months after you commence employment.
  3. The course commences with one week introduction to Art Theory.
  4. The planes commenced bombing at midnight.
  5. The head master commenced his tour of inspection.
  6. The meeting commenced at 10AM.
  7. She commenced studying law.
  8. I commenced M.A. in 1985.

 

#8だけ「(学位など)を受ける」の意味ですね。

その他は全て”start”の意味で使われています。

 

それにしても、こういった「他の身近な単語(今回でいうとstart)で置き換えれてしまうが、それに準ずるくらい有名な単語」の使い方って、結構難しいです。

具体的に、「xxxの時はstartを使って、△△△の時はcommenceを使う」といったルールが存在すれば、英文法から入った日本人は理解しやすく、使い勝手もいいと思います。

しかし、上記の例文を読む限りどれもstartやbeginに置き換えが出来てしまいますよね。

 

主語だけをピックアップすると、work, evaluation, course, planes,などのように「人以外」が最初に登場します。

「おおっ!物・ことが始まる時にはcommenceなのか!」と思いきや、その後はthe head master, she, Iなど人物も主語に取っているわけです。

・・・ふ〜。感覚で使い分けれない人には大変ですね。

 

ジーニアス英和大辞典に明記されていたのは、「begin, startより堅い語」

これだけでした。

ということで、私は「着手する」という日本語的解釈が最もしっくりくるような気がします。

 

 

ビジネスでの”commence”の使い方

ではビジネスの現場でcommenceはどのように使われるのでしょうか。

業界や業種によっても様々だと思いますが、私の感覚ではcommenceは「THE 契約書に出てくる単語」です。

以下のような具合に。

  • commencement of commercial operation 「商業運転開始」
  • commencement of work 「起工」
  • commencement order 「開始決定 (倒産手続きの裁判)」

 

「契約が開始するのはxxxの後に・・・」とか「正式な運転開始はxxx頃になります」とか。

ということで、日常の会話ではcommenceは登場しません (少なくとも私の職場では)。

 

“The meeting will commence at 11AM.”とか・・・うーん、言いません。

何だか、「打ち合わせは11時から着手される」みたいな感じがしません? 

 

ただまぁ、“production will commence next month”とか、“commence an investigation”といった一般的な使い方も正しいわけですから、多少堅い印象はもたらすものの、startやbeginの代わりに使ったとしてもなんら問題はないわけです。

ということで、明日から意識して使ってみようと思います (インドネシア人が知らなかったらどうしよう)。

 

 

TOEIC L&Rでの”commence”の使われ方

そしてTOEIC L&Rでは以下のようなPart 5の問題が公式問題集に登場しています。

123. Renovations on the top floor of the Melaka Building are set to _____ after the elevators are installed in early August.

(A) expire

(B) construct

(C) commence

(D) arrange

和訳例は、「Melakaビルの最上階の改装は、8月初旬にエレベーターが設置された後に始まる予定です」ですね。

やはり、「改装が着手される」といったニュアンスでしっくりきます。

イメージ的には人を主語に取るよりは、物・コトを主語に取る機会の方が多いような気がします。

 

 

ちなみに過去問を取り扱っている私のメルマガでも以下の問題が2013年に出題されています。

(commenceが直接選択肢にあるわけではありませんが)

No. 2 I am pleased to ______ you employment with XYZ Trading as Translator in the Japan /Asia department, with a commencement date of April 1, 2013.

            (A) inform

            (B) announce

            (C) encourage

            (D) offer (正解)

 

ということで、”commence”とじっくり向き合ってみました。

さすがに一つの記事にしてこれだけ深掘りすると忘れることもないと思います。

次のTOEIC L&Rでcommenceが登場したらラッキーですね。

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