これまでの人生で英語に触れる機会が極端に少なかった人が、突然仕事で英語を使わざるを得ない状況に陥ったというのは最近よく聞く話です。
「英語を使う」にも「話・書・聴・読」と多様な意味合いが存在しますが、どのスキルも万遍無く身に付ける為にはどういったステップを踏めばいいのでしょうか?
私の経験をベースに纏めてみます。
To do 1. ビジネス英語のテンプレートを作る
こちらの記事でも書きましたが、最初にすべきは自分の型を作ることです。
例えば以下のような感じ。
- 納期を早める時に使うテンプレート
- 商品の在庫有無を問い合わせる時に使う英文のテンプレート
- 昨日提出期限だった書類の進捗状況を確認する時に使う英文テンプレート
- 価格を下げることが出来なかった時に使う英文のテンプレート
- L/Cのアメンドをお願いする時に使う英文テンプレート
これはリーディング (= 英文メール)にも使えますし、スピーキング (= 電話での会話)でも大変効果的です。
「テンプレ見ながら仕事すんのってどうなのかね〜?」といった意見もあると思います。
が、結局のところ、ビジネス英語なんて言うのは こういったテンプレートの積み重ねだと私は考えています。
我々日本人が日本語を学ぶのと同じです。
幼い頃から両親・保護者の話し方を聞き・見て、自分も同じように話すようになる。
さらには、学校の先生・友達の言い方が伝染して、自分の辞書の中に入ることもあるでしょう。
同じだと思います。
ビジネス英語テンプレの幅を広めていくことで、後天的に総合的な英語力が向上していものだと思います。
To do 2. 英単語暗記 → 実戦は絶対にしない
一見、ビジネス英語を学ぶ上で王道のようなやり方。
誤解を恐れずに言いますと、個人的には絶対にお薦めしません。
イメージとしては、いわゆる受験英語みたいな感じですが。
ビジネス英語用の単語や文法を最初に頭に叩き込んで、「さぁ 英語を喋るぞ!」みたいな。
先ず時間的に無駄です。
単語を暗記している時にも仕事はしなくてはいけないのですから、最悪でも同時並行的に学習する必要があるはずです。
我々社会人は忙しいのです。単語だけにそこまで時間は割けません。
「さぁ、何から手を付けよう?」⇒「単語が分からないな。よし先ずは暗記だ」
という思考プロセスはありがちですが、ビジネス英語は、実践を積んだ方が身につくのも早いです (= 暗記する時間はもったいないです)。
To do 1. でも述べました「テンプレート」を作っていくプロセスで、「この単語の意味は何だろう?」と一つ一つ意味を調べていけばOK。
インプット ⇒ アウトプットは 学びの基本ですが、初心者がいきなりビジネス英語を必要とする場合を想定すると これは成り立ちません。
「市販のビジネス英語用単語帳ありき」で、あなたの仕事が存在しているのではなく、「あなたの仕事ありき」でビジネス英語が必要なはずですよね。
不要な単語は暗記しない。
必要な単語は実戦でさっさと身につける。
To do 3. 英会話本、英会話教室には通わない
本質的には To do 1・To do 2. と同じです。
「ペラペラ喋れるビジネス英語フレーズ 100 !!」という本を購入したところで、その人の業界・職種・状況において使用するか否かは全く別の話。
英会話教室もそうです。
その人の状況を加味した上で教えてくれる英会話スクールがあればいいのですが、教えてくれるのは全て普遍的なフレーズとか発音とかです。
“How may I help you?”と言うフレーズを工場のメンテナンス係の人が覚えても、使用する機会は皆無ですから。
冷静に考えればわかることなのですが、どうしてもビジネス英語に盲目な人は誤ってしまいがちな選択となっています。
英会話スクールにお金を搾取されるだけですよ。
電子辞書を購入する
英語初心者であれば、英和辞典・和英辞典は必須ですが、いまさら分厚い辞典を買うことは推奨しません。
仕事をしながらビジネス英語を学ぶ必要がありますので、時間をなるべく削減することを考えると電子辞書を購入することがオススメとなります。
電子辞書メーカーには、CASIO, SHARP, CANONなどがありますが、私のおすすめはSII (= セイコーインスツル)ですかね (2018年現在、電子辞書の販売をしていません)。
理由はサイズがコンパクトで収録単語数がずば抜けて多い点、更に「大人の電子辞書」と言うブランドが既に出来上がっているからです。
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スピーキングを実践する
ビジネス英語といわれる世界の中で、多くは「外国人と話す」か「外国人とメールでやり取りをする」に大別出来ると思います。
他にも「英文書類を読む」とか「海外からの電話を取る」とかもありますが、これらのことを一気に纏めて伸ばしたいのであれば、
間違いなくスピーキングが効果的でしょう。
私が商社マン時代に出会ってきた40代~50代の技術者のおじさまたちは、スピーキングを行うことで英語力を伸ばしてきたと仰っていました。
それまで国内向けの商売だけで仕事が成り立っていた製造業が、国内向けには物が売れなくなり、海外に市場を見出した瞬間 お客さんが外国人になってしまった訳です。
日本語で捲くし立てていたおじさまたちでは太刀打ちが出来無さそうですが、彼らは片言ながらも「どんどん話すこと」で、コミュニケーションを取っていき、ビジネス英語を学んでいったそうです。
TOEIC L&R, S&W を受験する
一番手っ取り早いのはこれかも知れません。
TOEIC L&R の受験を決めて、900点を目標に一定期間勉強することに決めてしまえばいいんです。
ヒアリングスキルやリーディングスキルは、それぞれ「外国人の言っている事を聴き取る」ことと、「外国人からのメールを読み説く」ことに直結します。
また、TOEIC S&Wでは上述のスピーキングスキル向上の一助になるでしょう。
自宅で学習しつつ、職場でアウトプットする。
実戦にてアウトプットできるのは大きなメリットとなります。
ということで、「英語初心者が初歩的なビジネス英語を学ぶ際には、何から始めたらよいか」というテーマで書き綴ってみました。
人それぞれ切り口はあると思いますが、私が考えるのはやはり「現場を学びの場と化する」ですね。
「勉強してから使う」ではなくて、「勉強しながら使う」です。